花笠ふたり若衆
劇場公開日:1961年5月17日
解説
「赤穂浪士(1961)」の小国英雄の脚本を、「霧丸霧がくれ」の佐々木康が監督した股旅もの。撮影も「霧丸霧がくれ」の鷲尾元也。
1961年製作/91分/日本
配給:東映
劇場公開日:1961年5月17日
ストーリー
上州板鼻宿--川止めで満員の小松屋では旅人たちが退屈しのぎの隠し芸大会。鳥追い女お粂の三味線で歌う三次郎の美声は一際光る。その最中に盗難事件。騒ぎをよそに前髪の若者源太郎が手品をやり出す。この手品、なんと失くなった旅人たちの財布を次次と出す手品。その鮮かさに犯人の新蔵さえ驚く。雨が上り渡し舟は出るが、源太郎は、沓掛仁兵衛の娘お絹が大前田の若親分英次郎を探していることを聞き込む。そのお絹は、お粂に手形を盗まれ、源太郎、三次郎と関所を破る。安中宿で三次郎が地回りに因縁をつけられているところへ来たのが源太郎、彼は大前田英次郎と名乗って地回りを追い払う。二人は意気投合、源太、三次のやくざ名に変え坂本宿の吉兵衛一家を経て沓掛宿の仁兵衛の家にワラジをぬぐ。仁兵衛が例の大前田英次郎を探していたお絹の父と判るが、一家は落魄のどん底。くさった源太は町の料理家つた屋へめしを食いに行くが、そこにはお粂が酌婦として住込んでいた。折も折、問屋場の主人仙右衛門が仁兵衛一家の縄張りを奪おうと元子分の政吉をテラ師に盆ゴザを開こうと企んでいた。これを知った三次は源太をおだてその手品でゴッソリ金をまきあげる。一方、仁兵衛の家に次郎長身内の法印大五郎などがワラジをぬぎ始めたので頭へきた仙右衛門一家は殴り込みをかけようとする。これをお粂の注進で知った三次は、源太をけしかけ、仲裁役をやらせる。源太はまた大前田英次郎の名を使って無事収めるが、彼を英次郎と思い込んだお粂に短筒で撃たれそうになる。お粂は英次郎に殺された悪貸元の娘だったのだが、源太の人柄に打たれ思い止まる。一時は源太にまるめられた仙右衛門だったが、こんどは破れかぶれ、英次郎宛の決闘状を仁兵衛の家に投げ込む。これを見た源太は単身決闘の場に乗り込むが、そこでは三次が大立回りを演じていた。縦横無尽に斬りまくる三次、これこそ大前田英次郎だった。そして源太とは馬庭念流樋口十三代目の御曹子。二人は仙右衛門一家を滅した。