劇場公開日 1991年7月6日

「ディフォルメ感満載のつかの科白に秘められた物事の本質性は…」幕末純情伝 KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)

1.0ディフォルメ感満載のつかの科白に秘められた物事の本質性は…

2025年2月28日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

若い頃、つかの舞台は
「蒲田行進曲」と「熱海殺人事件」
を中心に随分と観劇したが、
この「幕末純情伝」の舞台が実際あったのか
どうか記憶は定かではないし、
この映画も未鑑賞だった。

それなりにお金を掛けての作品のようで、
創っている方は楽しそうだが、
つか式風刺性を全く踏襲出来ておらず、
ハチャメチャ性オンリーに感じ、
途中でこのまま観ていて良いのか
分からなくなってしまった。
そんな中、舞台の「蒲田行進曲」での
台詞だったかも知れないが、
「出たな!土方(どかた)歳三」に対し、
「土方(ひじかた)と呼んで下さい!」
との遣り取りに近い、
この作品の中の場面には懐かしみも感じた。

しかしながら、
牧瀬里穂はとても可愛いかったけれど、
ディフォルメ感満載のつかの台詞に
秘められた物事の本質性は、
特につかの舞台の上では
有効な表現手法としてなり得るが、
映像化に際しては、
「蒲田行進曲」の深作欣二監督のように、
余程の演出技量がないと、
とんでもない作品になってしまいますよ、
という典型的な作品のように思える出来映え
に感じてしまうばかりだった。

KENZO一級建築士事務所