「遊び心満点の大林初期作品。」HOUSE ハウス kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
遊び心満点の大林初期作品。
オシャレ以下、ファンタ(大場)、ガリ(松原)、クンフー(神保美喜)、マック(佐藤美恵子)、スウィート(宮子昌代)、メロディー(田中エリ子)の7人が羽臼家へと向かう。最初は、イタリア映画の音楽家である父(笹沢佐保)とともに軽井沢の別荘に行く予定だったオシャレは、父が新しいママ(鰐淵晴子)を紹介したために別荘行きを断念する。ファンタたちは憧れの東郷先生(尾崎紀世彦)と合宿(何の合宿だかさっぱりわからん)が中止になった・・・などという、どうでもいいプロローグがあったりする。
ホラーだとかコメディだとかジャンル分けされる今作であるが、カルト映画、実験映画、アイドル映画と言った方がわかりやすい。そんな中、当時流行っていたゴダイゴの歌やカメオを織り交ぜ、監督自身も別れ際の恋人という役で大林恭子とカメオ(すぐにわかるぞ!奥さんは初めて見た)。その他、脚本家の桂千穂も出ているらしい。
最初に井戸にスイカを冷やしに行ったマックがいなくなる。食ったおばちゃまは車いすで移動していたのに、若さを取り戻して飛び跳ねたりする。徐々に恐怖を覚えるファンタ。やがてスウィートが時計に食べられ、メロディはピアノに食べられてしまう・・・
CGの無い時代にここまでしっちゃかめっちゃか特殊撮影とフィルム合成を繰り返し、目も疲れてくるんだけど、それが楽しいのだ。何しろ、タンクトップにショートパンツのクンフーが大活躍。未だに神保美喜のファンサイトまで存在するくらいの人気ぶり。彼女のアクションも編集のおかげでかなりカッコよく見えるのだ。ただ、目が光ったり、ピアノの上に星形の光だけはいただけない!結構面白い映像があるのに、やっぱりやり過ぎなんだろうなぁ。
ストーリーはどうでもいいくらいなんだけど、戦死した恋人(三浦友和)を永遠に思い続けるというテーマなんてのが大林ならでは。実の娘(当時12歳)の原案をここまでにするのも大変だろうというか、ばかばかしすぎ・・・
ヌード:池上、松原