「英文科だというのに縦書きの原稿用紙にペンをすべらせる江口。」廃市 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
英文科だというのに縦書きの原稿用紙にペンをすべらせる江口。
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家の横には運河が走り、どこへ行くにも舟に乗るのが一番早い。日本のヴェニスのような町で暮らす一家。おばあちゃん(入江たか子)は柳川市から一歩も外へ出ていないという。江口は夜な夜なすすり泣く声が安子(小林)なのか、そのお姉さん(根岸)なのかが気になって一家のことに興味津々。
こうした貝原家に婿養子に入った直之。妹の安子とお互いに好きあっていたが、結婚したのは根暗なお姉さん郁代(根岸)。安子とは肉体関係はなかったようだが、郁代は家を出て、そのうち直之も秀(入江若葉)のところへ転がり込む。そして心中・・・
未来も何もない様子を破滅する家族を通して描く。柳川市が廃れていく(実際はそうではない)ことを表現している。大林作品の中でも文芸映画風なので、どうもしっくりこない。それでも主人公江口の視点でみると、ある種のノスタルジーなんだろうけど。
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