劇場公開日 1981年10月7日

「2025年の今、映画『典子は、今の』辻典子さんは今、白井のり子さん...」典子は、今 ナイン・わんわんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 2025年の今、映画『典子は、今の』辻典子さんは今、白井のり子さん...

2025年8月21日
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鑑賞方法:その他

2025年の今、映画『典子は、今の』辻典子さんは今、白井のり子さん。
熊本県熊本市出身の経営者、元公務員、元俳優。旧姓が辻で映画の中では自分自身を松原典子として演じた。当時19才。

私は映画公開当時小学生だったが、先生と一緒にクラスで劇場まで移動し、2階席から集団で観たのを覚えている。1990年にテレビで放送したらしく、その時も観たかも知れない。
久しぶりに鑑賞するにあたって "身構えた" がそんな必要は全く無くて前向きな主人公を応援しながら見た。

映画監督の松山善三によって製作されたドキュメンタリー風の映画。松山監督は、典子さんが公務員として採用されたというテレビのニュースを見て、足を手のように動かす姿に感銘を受け「彼女の努力を描くことによって見る人に自分の生き方を問い直してほしい」と製作に動いた。
典子さんは公務員なので、営利企業への従事制限を熊本市長から特別に許可を得て実現したらしい。
監督の妻で元女優の高峰秀子が辻典子の演技指導担当の助監督として参加している。

映画は国内でヒットしたが、典子さんを一目見ようと熊本市役所に押しかける人々が続出、また感想の手紙が殺到。こうした自分の想像を超える反響の大きさに、典子さんは映画の意義を感じつつも、「映画の自分が本来の自分から独り歩きしている」と困惑したらしい。しかし、それから時間が経ち、自分を客観的に見つめられるようになったと感じ、2005年にそれまで断り続けてきた講演をはじめて行う事にする。

ナイン・わんわん