「タイトルなし(ネタバレ)」野火(1959) りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし(ネタバレ)
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太平洋戦争下のフィリピン、レイテ島。
野戦病院から追い返された田村一等兵(船越英二)。
曹長の厳命で再び病院に戻るも入院などさせてくれるはずもなく。
病院から少し離れた藪の中で、同じような境遇の一群に加わった。
するうち、米軍の攻撃。
日本軍は敗走に次ぐ敗走・・・
といったところからはじまる物語。
「野火」は、収穫後のガラなどの野焼きの火または煙。
人間の営みの象徴。
戦火により人間未満の餓鬼畜生に堕ちた者は人間界に戻れない。
戦争とは、この世で最も不条理なもの。
こんな不条理の世界では「つい、うっかり・・・」などと命を落とす羽目にもなる。
それは、笑うに笑えない。
不条理喜劇の側面を持つ恐ろしい作品。
役者陣の恐ろしいぐらいの痩せ方。
虚ろな目など、登場するひと皆、人間離れしている・・・
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