眠狂四郎無頼剣
劇場公開日:1966年11月9日
解説
「座頭市地獄旅」の伊藤大輔がシナリオを執筆し「大魔神怒る」の三隅研次が監督した“眠狂四郎”シリーズ第八作目。撮影は「続・酔いどれ博士」の牧浦地志。
1966年製作/79分/日本
配給:大映
劇場公開日:1966年11月9日
ストーリー
眠狂四郎は武部仙十郎から、大塩忠斎の残党が不穏な動きを企てていると聞かされた。江戸一番の油問屋弥彦屋と一文字屋が押込み強盗にあい、町辻では角兵衛獅子兄妹、女芸人勝美太夫なるものが現われ、不思議な火焔芸を披露しているが、これは大塩一味と関係があるという仙十郎の狙いだった。というのは、越後の地下水から油精製(石油)を研究した大塩忠斎・格之助父子が、その権利を一万両でゆずり貧民救済資金にしようと計画したが、義挙は商人の裏切りによって、挫折し、大塩父子が処刑されていたからだ。その帰途、狂四郎は弥彦屋お抱えの用心棒、日下部玄心の一党に襲われた勝美を救った。勝美は狂四郎の顔をみて驚いた。狂四郎と格之助が似ていたためであった。勝美の口から、一文字屋と弥彦屋を襲ったのは愛染と名乗る浪人一味で、中斎の恨みを晴らさんため、老中水野忠邦をも狙っており、しかも、格之助から油精製の図録を盗んだのは、一文字屋巳之吉に命じられた勝美であり、商人たちは図録を盗んでおいて大塩を幕府に売ったのだ。勝美はその後で自分の罪の深さを知って、巳之吉に恨みを返さんため動いていると聞かされた。勝美を銀杏長屋に送った狂四郎は、そこで愛染一味に襲われた。愛染一味は図録を盗んだ勝美を殺そうと狙っていたのだ。愛染と対決した狂四郎は驚いた。愛染は狂四郎と全く同じ円月殺法を遣ったからだ。それは狂四郎を鏡に写したごとく正確で、勝負は持ちこされた。亥の子祝いの日、愛染一味は弥彦屋と一文字屋を焼き払い、忠邦を襲った。そこには狂四郎が待ちうけていた。愛染と狂四郎の一騎打ち。同じ円月がゆっくり廻っていった。静かに倒れふしたのは愛染の方であった。