劇場公開日 1999年1月23日

「不思議感いっぱい」ニンゲン合格 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0不思議感いっぱい

2021年3月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 加害者である大杉漣もやってきた。失った10年間を詫びるとともに、これでお終いにしてほしいと懇願する。10年間を失った・・・しかし目覚めた本人にしてみれば何を失ったのかも理解できない。

 吉井の家庭は崩壊していたようで、とりあえず藤森の家で居候することになった豊。10年のブランクといい中学生の頭しかないんだから、何もかも不思議に映る世の中。まぁ、電動スケボーとか逃げ込んできた馬とか、普通の人でも不思議感いっぱいなんだけど・・・

 わざとらしいギミックもない代わりに、西島、役所、大杉の3人が突如切れてしまう性格が面白かった。家族の再生を背景に持ってきてながら、実は交通事故の加害者と被害者の関係の人間関係のほうがインパクトあったし、黒沢映画の中でも演技力が冴えた作品だと思う。

kossy