「怒っている」日本のいちばん長い日(1967) こめちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
怒っている
本当に戦争を体験した人々か暑い8月の追い詰められた夏に汗だらけになりながら怒っている。とにかく合理的な思考が停止して精神主義で突き進んだ結果に現実を突きつけられて選択を迫られる。黒沢年男の陸軍少佐の絶望がすごい。建てて建ててと工務店の広告をしている人物とは思えない。国の方向が首相と大臣に拠って決められるのに最後の責任は天皇に裁可を得るという政治機構の未熟さが混乱をもたらす。ただし、だからみんな従ったという面もあるけれど。なんであんなことになったのか常に考える必要がある。この映画は戦争で辛酸をなめた世代の遺言である。
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