「完成度の高い大作」日本のいちばん長い日(1967) 散歩男さんの映画レビュー(感想・評価)
完成度の高い大作
67年岡本喜八監督。
まず淡々とドキュメンタリーを思わせるナレーション。錚々たる名優たちの顔。各人の思惑が交錯する状況説明。そうしてここでタイトル(開始21分!)
登場人物の多さ情報量の多さを感じさせない手際とテンポの良さ。それでいて急ぎ過ぎることはない。サスペンスフルで飽きることのない展開。国家や政府、儀式の在り方をも考えさせられる教示に富んだ内容でありながら、映画的面白さも十二分にある。
群像劇で役者がみな素晴らしい。三船敏郎の存在感は別格だが首相役の笠智衆がよかった。剛に対する柔という感じで。
重厚感ありながら長さは感じず、大作なのに隙がないという奇跡的な傑作。
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