虹をつかむ男のレビュー・感想・評価
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【”敬愛する渥美清さんにこの映画を捧げる。”今作は名作映画愛と、急逝された渥美清さんへの山田洋次監督の想いが溢れた作品なのである。】
■就職試験に失敗したリョウ(吉岡秀隆)は実家を飛び出し、四国・徳島県の小さな町に辿り着く。
リョウは、映画をこよなく愛するカッチャン(西田敏行)が営む年季の入った映画館・オデオン座で働くことになる。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・ご存じの通り、今作は急逝された渥美清さんの「男はつらいよ」シリーズに代わって、急遽、制作された新たな人情ドラマである。
・そして、主役は渥美清さん亡き後、邦画のコメディ(だけではないが)を担って来た西田敏行さんである。
これだけで、現時点では涙が出そうになる。
■この作品では、オデオン座で多数の名作が上映される。
1.ニュー・シネマ・パラダイス
2.野菊の如き君なりき
3.かくも長き不在
4.雨に唄えば
5.東京物語
そして、登場人物の台詞には「8 1/2」「ベニスに死す」etc.が、次々に出て来る。
更には、1シーンだけであるが、”どんな映画にも良い所はある!”という名言を残された淀川長治さんも、登場する。
・物語としては、多分製作時間が無かったのだろう。粗い部分も有るが、お堅い役人(柄本明)が「野菊の如き君なりき」を観て、会場運用時間を延ばす許可を出したり、カッチャンが、オデオン座を閉める事を皆に話した時に、映写技師のツネさん(田中邦衛)が少ない給料からコツコツ貯めて来た1200万円!を出すシーンなど、映画愛が随所に溢れているのである。
<極めつけは、最終盤に長く流れる若き渥美清さんの姿が映る「男はつらいよ」第1作の名シーンの数々である。
そして、エンドでは寅さんのテーマソングが前半に流れるのである。
更にエンドロールで流れた山田洋次監督の、渥美清さんに捧げた言葉にも、沁みるのである。
今作は、山田洋次監督が渥美清さんに捧げた名作映画愛に溢れた作品なのである。>
田中裕子がミスキャスト。残念。
やっぱりここは、吉永小百合でしゃう。竹下景子でも、良かった。このころなら、清水美沙が花の盛り。ジュリーと、モヤモヤしてる田中優子が、かっちゃんをあっさり振って、大阪へいくなんどは、噴飯物。みつおくんの、色恋沙汰を、しっかり描いてほしかった。こういう優柔不断な青年は、内田有紀あたりに、ぐしゃぐしゃにされる。困ったもんだわさ。まあ、ダサくだぁ。映画への講釈が、へた。西田敏行の名作。港町純情キネマは、市川森一の傑作です。見たいのに、見れないのが、つらい。
オデオン・シネマ・パラダイス
"虹をつかむ男" シリーズ第1作。
Huluで鑑賞。
「男はつらいよ」シリーズが終了したことによる寅さんロスの声に応え、渥美清への追憶映画として製作されました。
多くの名作が引用され、映画への愛が詰まった内容に胸が熱くなり、映画の素晴らしさ再確認し一層好きになりました。
基本的なストーリーは「男はつらいよ」スタイルを踏襲。主人公の映画館主・白銀活男(通称・カッちゃん)がマドンナに惚れて奮闘するも、結局最後には失恋してしまう。
カッちゃんと亮が別れの前に一緒に観た映画が「男はつらいよ」シリーズ1作目でした。お馴染みの音楽が流れ、カッちゃんは主題歌を口ずさむ。一緒に笑い、涙を流す。エンディングには「男はつらいよ」の主題歌が流れ、カッちゃんたちが車で通り過ぎたバス停には、バスを待つ四角い顔の男が…
全体的な面白さは残念ながら「男はつらいよ」シリーズには及ばずの感がありました。どれだけ寅さん(渥美清)の存在が偉大だったかを再確認するための作品に思えました。
※修正(2023/12/19)
寅さんロスで急遽製作された
徳島県脇町でロケを行い、芝居小屋を復活して地域は凄く盛り上がった。
映画に対する愛情感じるパロディとかそこかしこにあるが、何せ急拵えである。
物語はどこかで見たようなエピソードが多く、感動は少ない。
無料で映画会をやった話は高知県の映画屋さんのエピソードらしい。
「風の谷のナウシカ」を作中で流していたので驚いた。
映写機も1台で映してるから''流し込み''で上映してるのかと思ったがそんな描写がなかった。
芝居小屋兼映画館があっちこっちで潰れていたのを文化財として保護したり活用する機会にはなったと思う。
ラストの合成による寅さん登場もあるが、それだけで価値が上がるわけもない。
撮影に来ていた西田敏行の評判が脇町で悪かったのが印象深い(笑)
話よりも登場人物の存在感でみられる
総合75点 ( ストーリー:65点|キャスト:80点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
「ニューシネマ・パラダイス」と「男はつらいよ」を組み合わせたような、映画愛を語る人情劇。映画の良さを作品の中に含ませ伝えるというよりも、映画の良さを劇中で主人公に語らせるというずいぶん直接的な演出をしながら、そこに人間関係のことをもってくる。話としてはそれなりだったけれども、映画のことで頭がいっぱいの映画馬鹿を演じる西田敏行と、彼との大人の恋の相手役の田中裕子とはじめとする彼らをとりまく出演者の存在感と演技が良くて、だんだんと共感して引き込まれた。
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