肉弾(1968)のレビュー・感想・評価
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21歳6ヶ月
戦争があると男の寿命が短くなる。
生きていることはすげぇだろう。
スッポンポンのあいつが殴られる←命令
反芻して食べろ?って牛か?48回噛めだと⁉️
当時栄養失調の兵士たちがほとんどのよう。
腹が減っては戦はできぬ!とは、
よく言ったものだ。
広島、長崎に原爆が落とされ、
あいつ、
対戦車特攻隊員になる、というかならされた。
古本屋のご主人は両手の無い笠智衆、
請われるまま小便の介添を成し遂げる。
妻の北林谷栄を観音様だと言う。
男の憧れだろうか。
あいつ、一人前の男たる者❗️になるには?と
女郎買いに馳せ参じるが、
出て来たのは噂通り皆化け物ばかり⁉️
明日から神様にならされる我が身ゆえ、
今日は人間最後、是が非でも成し遂げん。
が•••••
若くて美しい女学生はあけぼの楼の若女将。
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️おお観音様じゃ❣️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
雷鳴の中機銃掃射を避けて
女学生女将のあとをついて行き
たどり着いた小屋で
女学生女将が打ち明けたのは、
ここで家族三人皆死んだの❗️
蒸し焼きで蝋人形みたいに。(←言葉だけで寒気 した箇所です。)
兄は特攻SS艇で戦死したの。
俺は、戦車M4の下に潜り込み爆破の肉弾さ。
女学生女将も裸で土砂降りの雨の中、
あいつと二人はしゃぎ回る。
あいつはネズミ、女学生女将はウサギ。
いつしか仲良くなり、
あいつは言う、💕❤️
💕❤️ 君の為なら死ねる❣️💕❤️
一面砂浜、
大きな声で教科書を読む男の子がいる。
神の国大日本‥神武天皇‥イザナギイザナミ
横から教師が男の子を殴る。
あいつは言う。
教科書は狂ってる、
教師も狂ってる。
日本は負けた。あっちこっちが狂い始めた。
自殺未遂のおばさん、
沖縄も取られた。
アメリカは女と見れば妾にするから、だけど、
首くくろうにも適当な木も見当たらない、と
去って行く。
女学生女将=ウサギが裸で語りかけるのを
思い描いていると、
看護師三人現れてコントか?
また兄弟にことづけを頼む。
第二あけぼの楼の女学生に、
「またネズミをよろしく」と伝えてくれ、と。
俺の許嫁みたいなもんだ。
二人とも生きていたら、‥‥。💕❤️❤️❤️💕
オオクニヌシノミコトとイナバの白ウサギの話
に乗じて男の集団が女三人を襲う⁉️
B29来襲。あいつ、
穴を掘り隠れてマンホール?の蓋をする。
ウサギ〜死ぬな〜❗️
男の子が焼けこげた教科書を持って来る。
あいつは必死に公式を呟きながら
聞きたくないのか⁉️でも、耳に入る。
兄ちゃんも観音様も死んじまった。
(観音様=女学生女将=ウサギ)
兄ちゃんは焼き芋みたいに。
観音様も殺された❗️
観音様は蝋人形になってしまった、と。
観音様はウサギ、
え〜〜〜〜〜❗️
ばっかやろう〜❗️
悪い時に生まれた。
神の国より人間の国がいい。
本当にいい国なら俺も今頃勉強している、
大学生なんだ。
あいつは、敵を想定し肉弾の練習。
兵士がやって来てあいつに作戦変更と告げる。
SS特攻隊の基地に行け、と。
男の子は算数の勉強、
あいつはなぜか海の中を走る。
行き着いたところで、
何の建物か。尋ねると、
SS艇なんかねぇよ。魚雷さ。
魚雷って知っているか?
こうりゅうの基地へ行け!と言われる。
あいつが去った後呟く男、
なんであんな若造殺すんだヨ⁉️
ヘタな悪あがきはよせ、ってんだ。
海に浮かぶ魚雷?(回天)とドラム缶。
これがあいつがドンブラコドンブラコと
浮かんでいたわけだ。
神風、回天、震洋、海龍
あいつは、
一人漂ってた、三日分の食料貰って、
それで一週間持たせる。
中で魚を焼き食らう。
特攻隊〜神風〜、と傘を振り回して叫ぶ。
あの男の子が穴から出て手榴弾並べて
九九唱える。
敵なんか来ない、味方も引き上げた。
日本が負けちまっただ、と叫ぶおばさん。
日本良い国強い国、だよ。
天皇様の戦争終結宣言、があったよう。
兵隊が鉄砲捨ててたよ。 と。
飛行機?戦闘機?からのビラ、
一人戦闘体制?
ドラム缶に入って浮かび、
必死に戦闘練習、
目標大型空母、みんなを守らなきゃ❗️
ギラギラ照りつける太陽。
なぜかの明るい音楽♪〜
突然、魚雷みたいなの沈んでいった。
ドラム缶だけ浮かぶ。
船の人から、特攻隊?ご苦労さんでした。
10日前に戦争終わったと教えてくれた。
東京まで引っ張ってもらう。
終わった、戦争が終わった。
チクショー❗️
ウサギさん、日本が負けたんだって❗️
みんなゼロだ。
つないでいた綱がちぎれてしまった。
昭和43 年海、海水浴客でごった返す。
浮かぶドラム缶。
{感想}
最初から原爆後なので、
その時には既にあいつは、亡くなっていたように思いもするし、内容通りにドラム缶で亡くなったとも考えられ、どちらか判断つきません。
どちらにせよ、21歳6ヶ月という若さで亡くなってしまった。
長崎への投下が9日で終戦が15日、14日には玉音放送の録音もしていますから、
10,11,12,13日の短い日数で内容がこなされたのかどうか、無理なら初めから亡くなっていてその生前の話となります。
大学生ながら、特攻とは志願したわけで。
好きな女学生女将に惚れてお互い命があれば一緒になりたい気持ちと守ってあげる為に自分の命を捧げる、という相反する二つの気持ちを持っていたあいつ。
現実は、女学生が亡くなり、あいつも特攻に行く前に亡くなったのかも。
女学生女将=ウサギとの1日にも満たない青春を一生忘れずに亡くなられたのでしょうか。
後半ほとんど砂浜が背景でしたが、なぜ砂浜ばかり?多分、出て来る人たちも皆亡くなってられるのだろうからかな?と考えつきました。
とにかく、みな亡くなり、ほんと0の状態。
これを蛸壺作戦の真っ最中と考える方もいてこんがらがっています。
追記:
本作最初に観てレビューを書きかけている途中に主演の寺田農さんが亡くなられました。
当時の栄養不足を体現したかのようなガリガリの痩せたお身体が作品に合っていました。
謹んでご冥福をお祈りいたします。
ドラム缶から出られない
Amazon Prime Videoで鑑賞(レンタル)。
自主製作ならではの自由度が監督の作家性を前面に押し出して、監督自身の体験が反映された濃厚なカオスに呑まれる。
シュールでコミカルな作風にも関わらず、否だからこそか、戦争の理不尽と残酷さを浮き彫りにしていました。
古書店での老夫婦との出会いや女学生との恋や幼い兄弟との交流は、普段なら何気無い幸福な日々のはずなのに、そのどれにも「戦争」が深く食い込んでおり主人公を苛んでいく。戦争が何もかもを目茶苦茶に壊していく怖さが身に沁みました。
終戦直前が舞台なのは、同時期につくられた「日本のいちばん長い日」と同じであり、姉妹的な立ち位置の作品だと思いました。もしかしたら本作は、監督が本当に語りたかったもうひとつの「日本のいちばん長い日」かもしれないな、と…
神も仏もありゃしない。ありがたい言葉も枕にしかならないし、最後は魚を炙る火を熾すくらいしか使い道が無くなる。
ラストの主人公の怒りの叫びは、世界が戦争を欲する限り止まらない。彼を早くドラム缶から出してあげなくてはな…
[余談]
カメオ的に豪華な俳優陣が要所要所で登場するのが贅沢でしたが、彼らを食うほどの大谷直子の存在感が素晴らしい。
戦争はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇だ。 米子映画事変万歳!🙌
終戦間際の太平洋戦争時を舞台に、最後の休日を過ごす特攻隊員の姿と、その特攻作戦の顛末が描かれた戦争映画。
名匠・岡本喜八監督の代表作。
『日本のいちばん長い日』の翌年に公開された、『日本の〜』と対をなすと言われている傑作(『日本の〜』を観ていないので個人的にはなんとも言えないけど💦)。
両作品とも仲代達矢がナレーションを担当していることからも、この二つの作品に関連性があることが窺える。
作品は前半と後半でその趣を大きく変える。
前半は、人としての喜びとは何ぞや、という非常に本質的かつ単純な問いに対するアンサーのような展開。
後半は超現実的な空間に主人公が身を置き、より観念的に戦争の愚かさを説いてゆくような展開になる。アントニオーニの『砂丘』を思い出したが、『砂丘』の方が後の作品だった。もしかしてこの作品からインスピレーションを得ていたりして?
こう書くと小難しい映画のように思えるかもしれないが、本作は基本的にはコメディ🤣
田中邦衛や笠智衆など、コメディアンとしても一流な役者のとぼけた演技は笑えるし、何より主人公を演じる寺田農の顔芸が素晴らしい✨
これまで寺田農といえば悪役のイメージが強かったけど、こんなにコメディアンとしても優れていたとは!おみそれしました👏
コメディだからこそ、クライマックスのあまりにシニカルな、ほとんど漫☆画太郎作品のような展開に込められた反戦メッセージがずしんと胸に響く。
特攻隊を全く美化することなく、その愚かさのみを徹底的に伝えようとしているところに、岡本喜八監督の矜持を感じる。
右翼が岡本邸に乗り込んできたというエピソードもあるが、たしかにこの作品は一部の人間の逆鱗に触れるものだろう。
東洋の神だろうが西洋の神だろうが、そんなものはなんの役にも立ちゃしない。せいぜい昼寝の枕になるだけだ。
靖国だの天国だの、そんなものに何の意味がある?
人間が生きるってことは、食べる出す抱く眠る、そんな「肉」の欲望以外に他はなく、それ以上でも以下でもない。
根源的な欲望と快楽があるからこそ、人生には生きる価値がある。
神様になるのも、ゾウリムシになるのもゴメンだね。
全く泣かせようとして作られた映画ではないだろうに、主人公の弾丸のように真っ直ぐと生きる姿を見ているだけで涙が出てきて止まらない😭
ちょっと中盤から後半にかけて間伸びしているとは思ったが、それを差し引いても傑作であることは間違いない。
前半の雨&裸が凄まじい〜!☔️
※岡本喜八監督の地元、鳥取県米子市で毎年開催されている「米子映画事変」でのイベント上映で鑑賞。
岡本喜八監督の奥さんでプロデューサーでもある岡本みね子さんも来場され、色々とトークを聴かせて頂きました。
壇上で涙を流しながら、深々とお辞儀をして観客にお礼を言われていた姿にもらい泣き…😭
今回で10回目を迎えた「米子映画事変」。
主催者は知る人ぞ知るプロデューサーの赤井孝美さん。
今回のゲストは、赤井さんを先輩と慕う『シン・ゴジラ』『シン・ウルトラマン』の監督である樋口真嗣さんと、TV版『ウルトラマン』シリーズの監督を務める田口清隆さん!
『シン・ウルトラマン』や『仮面ライダー BLACK SUN』の制作で死ぬほど忙しいはずのお二人ですが、まさか僻地鳥取まで来ていただけるとは〜😭
樋口真嗣監督なんて、一日中イベントに出続けてくれていて、業界の噂通りとっても良い人であることが伝わってきました!大河ドラマで渋沢栄一が取り扱われたことに対する毒舌もチラリと…笑。NHKから出禁になりますよ監督!
とにかく出演者と観客の距離が近い映画祭で、こじんまりとしていながらも凄く楽しいイベントなので、来年は皆様も是非ご参加ください♪
笑える…でも哀しい
冒頭から強烈で、
ラスト付近まで主人公が体験している出来事が現実なのか夢なのか、走馬灯なのか
わからなかった
映画というより舞台的。
特に砂丘のシーンはすごく劇的だった
主人公童貞喪失シーンもコミカルで笑ってしまった
結果的には前掛けのマダムのあとにかわいいお嬢さんと結ばれてよかった…
それにしても主人公のあのギラギラした雰囲気、演技すごいな〜と思いながら見ていました
ファンタジックなかんじが好きです
音楽もよかった
「戦争に負けたらひどい目にあう」
太平洋戦争後の日本に生まれた私はいわゆる「戦争を知らない子供たち」世代で、近年の湾岸戦争やイラク戦争も、全く対岸の火事だ。メディアの発達により、「情報」としての「戦争」は知っていても、「体感」としての「戦争」は想像もつかない。
本作は名もない“アイツ”という一般兵の物語だ。戦争は国家間の争いで、勝敗により、国の未来が左右される世界的規模の出来事だが、一般人にはそんな大きなことはわからない。今の生活が戦争によって左右される家庭的(個人的)出来事なのだ。防空措置のされている部屋で、机上の論議を戦わせている首脳陣とは違う。今にも死ぬかもしれない状況だ。それは爆撃によってだけでなく、食糧難や物資難による餓死や凍死なども含まれる。恐ろしいのはそんな状況下に置かれながらも、国民たちは「神の国」のために戦うこと、お国のために死ぬことを教えられるのだ。
『肉弾』の素晴らしさは、そんな一人の兵士の悲劇を、コミカルかつファンタジックに描いたことだ。いくらでも陰惨に描ける戦争映画を、コミカルに描くことで、主人公“アイツ”の、心情を的確に表現している。人間、悲惨な状況下に置かれれば、悲劇的になるよりも、滑稽めいてくる。さらに、未来に希望が持てなければ、自暴自棄というよりも、何か諦めに似た無感覚(?)に陥る。それが冒頭のナレーションでも頻繁に使われる「たいしたことはない」という言葉と、主人公ののんきさに繋がるのだ。さらに、主人公のおかれている悪夢的状況をおとぎ話めいたファンタジックな表現で包み込むことによって、よりいっそうリアルな感情を見ているものに投げかけられる。
この主人公の一種の無邪気さ・のんきさは、目の前に迫る“死”への恐怖を振り払うために他ならない。それは本屋で買った聖書(分厚くてすぐには読み終わらないけれど、それなりに面白い本)を読むことや、因子分解の数式を暗唱することや、わらべうた「うさぎ」を口ずさむことに如実に表される。
さて、本作でも、「戦争に負けたらひどい目にあう」という認識が根強く市民の間にあることが記されている。その顕著な例が、無教養な賄い婦の描写だ。彼女は高い教養も、特別の愛国心も無いが、日本が戦争に負けると聞くと、“アイツ”のピストルで自殺を図ろうとする、扱い方もわからないのに・・・。結局はうまくいかないのだが、彼女は、日本を占領する外国人に対しての恐怖をこう話す。「ヘソまで見られちまったようで、恥ずかしいだよぉ・・・。」一般生活者が、敗戦により自決するのは、プライドや責任からではない、恐怖や羞恥心からだ。
戦争は、市民たちの生活を奪う、初恋を奪う、未来を奪う、理性を奪う、感覚を奪う。いきなり「戦争が終わったから、もう殺しあうな」と言われて、素直に実感がわくか?“アイツ”がそれを聞いて最初に感じたのは、喜びでも安堵でもなく、憤りだったのではないだろうか?戦うことに疑問を持っていた彼が、それでも命がけで戦っていた。初恋の相手を蒸し焼きにされても・・・。「何のために!?」“アイツ”はそう思ったはずだ。「何のために!?」。「たいしたことはい」と無感覚を装ってきた“アイツ”の憤りが、20年後の平和なビーチに漂う、盥船の中に凝っている・・・。
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