「結局、本当のところは…?」226 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
結局、本当のところは…?
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空前の豪華キャストに魅せられている内に、決起の理由が冒頭で駆け足に語られるだけで、あれよあれよと言う間に2月26日当日を迎えてしまったため肩透かしを食らいました。
雲行きが怪しいと思っていたら、彼らの行動には憂国の志だけで無く、「愛する者を守りたい」と云う一心があると描写され、尻すぼみ的に事態が終息し、さらに肩透かし…
「仁義なき戦い」シリーズで広島やくざの興亡史を鮮烈に描いた笠原和夫が脚本なので期待しましたが、その手腕を持ってしても日本史のタブーの前にはペンを曲げざるを得なかった?
経済の大恐慌と時を同じくして起こった凶作により国民の生活が困窮していたことは事実ですが、それだけが決起の理由として挙げられていることに納得がいきませんでした。
皇道派と穏健派の対立、西欧諸国のアジア進出への危機感と云う周辺事情もあったでしょうが、結局のところ財閥などの巨大な利権が絡んでいたのではないかなと思いました。
二・二六事件を契機に軍部の勢いは拡大し戦争への道を進みましたが、戦争になることで莫大な利益を得られる存在が、彼らの憂国の気持ちを利用して裏から糸を引いていたのでは?
しかし、真実は霧の奥に押し込まれたまま。これだけ有名な事件でも曖昧模糊として実態が掴めません。歴史の教科書も、こう云う出来事があった程度の紹介に留まっています。
深掘りすると何が飛び出すか知れたものではなく、日本と云う国を覆しかねないことが根底にありそうで不気味です。取り敢えず松本清張「昭和史発掘」を読みたくなりました。
※修正(2024/04/22)
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