劇場公開日 1989年6月17日

「アップと回想」226 チャーリーさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5アップと回想

2015年8月19日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

悲しい

知的

こういう現代史もの、特に日本の現代史ものって、映画としてどう観るかってことに迷いが生じるんですよね。ある程度、この事件についての予備知識があり、それに対する自分の思いもあるので、その思いが作品としての評価に影響してしまう感じがするっていうかですね。
なので、そういう事前の思いを度外視して、純粋に映画として観たとしたら、えー、印象に残ったのは、そう、アップと回想でした・・・
青年将校たちのアップ、そしてそれに続く彼らの回想シーン。なんかこの手法が乱発されていて、どうにも興をそがれる感じがありましたかね。もっと、たとえば、ただ窓際にぽつねんと立たせておくとか、そういうので、彼らの寂寥感とかは表現できたと思うんですよね。丁寧にそれぞれの回想シーンをインサートされるんで、なんか逆に悲しくないっていう感じがしましたよ。
彼らの人間的なところを強調したいっていうことなんだと思うんですけど、私はもっと彼らの狂気を垣間見たかった気がしますね。興奮と熱情と虚脱と寂寥と、それらがない交ぜになった狂気が十分に映っているって感じが・・なかったですよ。

チャーリー