「集落、貧しさ、生きる、ヌメリとしたイヤラシさ。 汚らしさと自己保身...」楢山節考 さるまるさんの映画レビュー(感想・評価)
集落、貧しさ、生きる、ヌメリとしたイヤラシさ。 汚らしさと自己保身...
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集落、貧しさ、生きる、ヌメリとしたイヤラシさ。
汚らしさと自己保身の為の集団の団結と規則。楢山節考において今村昌平が描きたかったのは何か。今村昌平は人の醜悪な部分をこれでもかと接写する。そのスタイルは変わらない。
生き物の根源である性と死、その為であるなら誰かを叩き落とすこともいとわない。イヤラシさとズルさ。
そう、人はあくまで生物の延長線上であるから、生まれてきたからには競争し、つがいを選び、セックスをして子孫を残し、子を育て死んでいく。生物において老いと死は恐怖でしかない
この集落において、老いと死は諦観的に描かれ、当たり前のようにそこに佇み、山へと還っていく。
この映画で一番恐ろしいところは、盗みを働いた一家が、集団で襲われ、すべてのもの身ぐるみ取られたあげく、それを、当然のように村人たちでわけるところだ。
しかもそれだけで飽き足らず、すべての盗人の血を粛清しようと、生きたまま捕らえられ、山に埋められる。昔の田舎の集落ではこんなことが当たり前のようにまかり通っていたのだろうか。
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