ナビィの恋のレビュー・感想・評価
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【三線の音色とブーゲンビリアの花に癒される沖縄の二つの恋物語。沖縄民謡って、何で聞いていると気持ちが和らぐのかな・・。】
■東金城奈々子(西田尚美)は都会の生活に疲れ、久しぶりに里帰りをする。
彼女をトラックで港まで迎えに来てくれていたのは、祖父母の恵達おじぃ(登川誠仁)とナビィおばぁ(平良とみ)。
その後、おじぃが本土から来た風来坊の青年・福之助(村上淳)を家に連れてきて、奈々子は彼のことが気になりだす。
奈々子の事が好きな島の青年ケンジの、姿もホンワカしていて良い。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・今作は、大仰な物語展開がある訳ではない。
都会から戻って来た奈々子と風来坊の福之助が徐々に惹かれて行く姿と、ナビィおばぁが60年前に泣く泣く別れさせられたサンラー(平良進)が、奈々子が乗って来た舟に乗っている所から始める二つの恋物語が、三線の音色に合わせてゆっくりと繰り広げられる。
■60年前のナビィおばぁとサンラーの恋のシーンはモノクロで映される。そして、島の祈祷師の言葉により別れさせられる二人。
サンラーは、一人島を出るのである。
<そして、現在。再び島に戻って来たサンラー。何故に戻って来たかは描かれない。だが、自分が戻ってきた事で、島に波風が立った事を知った彼は、再び島を出るのである。彼を追って、海に入り追いかけるナビィおばぁの姿が切ない。
60年前の恋を、忘れられないナビィおばぁの姿・・。
一方、島では奈々子と福之助の結婚も映し出される。幸せそうな二人。祝福するかのように演奏される三線。
何だか、心癒される作品である。>
現実にこんなことあるかなぁ
都会の生活に疲れ、沖縄の小さな島に里帰りした奈々子は、陽気な島民や祖父母である恵達おじぃとナビィおばあに温かく迎えられ、次第に癒されていった。しばらくすると、奈々子はナビィの様子がおかしいことに気づいた。実は、60年前に大恋愛の相手・サンラーがブラジルから島に帰っていたのだ。それを知った島民や奈々子はナビィのことが心配でならない。しかし、おじぃと奈々子を残し、サンラーの操る舟に乗ってナビィは島を出ていった。幸せそうな彼女を見送った奈々子は風来坊の福之助と結婚して、末永く東金城家を発展させた、てな話。
60年前の恋、って20歳としても80歳だよね。現実にそんな歳になって、昔の好きだった人が現れたら付いていくものなのかなぁ?
若い頃の西田尚美が明るくて面白かった。
劇場公開時鑑賞。おばあはかわいい。
西田尚美、村上淳は本作で知った。がなんといってもナビィ役の平良とみさんが素晴らしかった。
良し悪し二元論だけでは計り知れない想いが胸に迫る。嫌な気にならないのはおじいの愛が大きすぎるからなのか。人間って不思議。
都会に疲れて
オジイが出かけるときに米国国歌を弾くというのもどうなんだ。無声の箇所がいいですねぇ、台詞は見逃しっぱなしでしたけどね(笑)。
しかし、この映画、沖縄の男はだらしない!ということを言いたいのか・・・どの女性も外の男に取られてるぞ!
あなたも私もいつかナビィの年になる日が訪れます
ヒロインは70過ぎの老婆
その彼女が何もかも捨てて駆け落ちする物語です
特異なテーマかも知れません
しかし超高齢化社会に突入しようとしていた当時において、社会が求めた必然性のある映画だと思います
では何故沖縄なのでしょうか?
当時、2000年7月に沖縄でサミットを開催することが決まり、それを記念して2000円札の発行もなされることになるなど、俄かに沖縄ブームになったのは確かです
といって沖縄ブームに乗っかっただけの安易な舞台設定の訳はありません
沖縄こそ長寿県だからです
1995年には「世界長寿地域宣言」を行ったくらいです
沖縄が舞台であるのもまた必然なのだと思います
そしていまは2020年
超高齢化時代はもう到来しています
人口も世帯数も純減しだしているのです
毎年何十万人も人口が減り続けています
高齢者の人口構成比は三割にも及ぼうとしています
ご存じのとおりこれは世界一の構成比なのです
そしてさらに上がっていく数字なのです
本作公開から20年以上経ちました
本作の沖縄を舞台にした先駆けの物語は、今や日本全国の物語です
いま70過ぎの老人とは1950年頃生まれの団塊の世代の人々なのです
彼ら彼女達にとって恋愛は死ぬまで現役なのは間違いないと思います
ナビィの恋は21世紀の現代を先取りしています
あなたのおばあちゃんがナビィになるかも知れません
そしてあなたも私もいつかナビィの年になる日が訪れます
しょぼくれた年寄りになってしまうのか
ナビィのように恋ができる老人でいるのか
問われているのではないでしょうか?
さらに若者に対してナビィのような悲恋を繰り返さずに、若者は若者らしく情熱的に恋をしろと訴えています
恵達おじいちゃんは奈々子に妊娠したのかとか、ケンジも俺の子供を産めとか言います
サンラーが島に帰ってきたのは、墓に参って自分の代で一族が絶えてしまうことを先祖に詫びる為でもありました
そうです
超高齢化への視線だけでなく、少子化問題にも視線は向けられているのです
だから終盤で福之助は猥歌を歌い、恵達が二人の結婚を報告をしてフィナーレとなるのです
良い恋愛をして、夫婦となる、いずれ何人か子供ができる
こんなシンプルなことで世の中は幸せになるのです
奈々子は走って福之助のところに向かいます
彼は今で言うところの草食系の男子です
彼女がアクションしなければ何も始まらないのです
若者が熱く恋愛をしなければ、周囲も老人だらけのまま、自分もまた来るはずのないサンラーを待つナビィのように老人になってしまうだけなのです
だから奈々子はサッパリとした色気もあまりない、細くて胸も小さい西田尚美に配役されていたのです
そう、彼女は少子化の象徴だったのです
その彼女が走って福之助に飛びつきキスを求めるのです
彼女に対置されているのは麗子です
彼女はふくよかな体型をしています
そして妊娠もしています
夫は遠い外国から彼女を追って来た情熱的な男性です
だから彼の出身国は愛してるランドでアイルランドなのです
不思議なことにアイルランドのケルト音楽と沖縄の音楽がマッチして化学反応まで起こしています
本作公開の数年前、粟国島では無いですが、同じ沖縄の離島慶良間島に行ったことを思い出しました
ブーゲンビリアではなく、ハイビスカスの生け垣の民家が続いていました
流れている時間は本作のような時間でした
十九の春
以前から観たかったのだが、アマゾン・プライムにあったので放置しておいた。しかし、アマゾン・プライムから消えていたので慌ててBDを購入。基本的には音楽映画なのだろうがブーゲンビリア、粟国島の美しさもあいまって素晴らしい映像、途中から号泣してしまいました。何故、国際的な賞を取らなかったのだろう?
粟國島。60年も前の恋心を抱き続けるナビィおばあ。おじいも潔く、ナ...
粟國島。60年も前の恋心を抱き続けるナビィおばあ。おじいも潔く、ナナコをはじめ他のキャラにもかなり良かった。
おじいを捨ててサンラーと新たな恋を漕ぎ出すラストはなんだかすごいものを見た気がした。
島人の恋
沖縄の島独自の文化の中で、別れさせられた恋人たちだけど、60年も忘れられず思い続け、障害を超えてついには結ばれた。
全てを分かって最後にナビィを労わるおじぃと、それを知っても決意を曲げないナビィに、切ない気持ちになった。沖縄の自然と音楽は、様々な思いを持つ島の人の心をなぐさめてくれるのだろうと思った。
恋にブレーキは無いらしい?
何故かこの映画に出ている、西田尚美と村上淳のご両人は、結構長いキャリアと映画出演作品は数々有るのだが、さてどんな役を演じていました?と彼ら御両人の代表作を考えても、題名が中々浮かばないから不思議だ。
つまりこのお2人は、どんな役柄でも自然に、抵抗なく普通の人を演じる事が可能な2人なのだ。
良く言えば、自然体で、どんな役にもスッとハマってしまう程にナチュラルな演技派。
意地悪く言えば、個性に欠けた、印象の薄い感じのバイプレイヤーとなる。
さて、あなたなら、この2人をどう観ているのだろうか?
私は、この2人の俳優を決して嫌いではない。いやむしろ、好きな役者さんの部類にさえ入ると思う。
しかし、それでも、不思議とあの役強烈だったね~と思い出せる作品は少ないのだ。
今や人気絶頂の園子温監督作品に出ていても、割とこの村上淳さん地味目である。
西田尚美さん、そう言えば間もなく公開する「図書館戦争」出演しているので、こちらも楽しみなのですが、そんなこの御両人が出演したこの作品を今観ると、結構お二人はお似合いで、個性的で、魅力的に、私には見えてしまう。この頃の若い2人が良い感じで
お似合いの結婚に漕ぎ着くのも微笑ましい。
この映画が出来た99年頃は、丁度沖縄ブームの頃だったのかな?
ハッキリとした記憶も無いが、一時沖縄の自然溢れる環境の素晴らしさに憧れて、東京などの大都会から、沖縄に移住を計画する人が多くいた時期があった。
私の知人でも、沖縄への移住を実現した友人が3家族程いる。
その一方で、沖縄では就活が希望通り出来ない事から、本土に移住してきた沖縄県出身者の友人も多数いるから、世の中不思議だ。
いざ現実に移住してみると、台風やら、梅雨時の不快感とか、米軍基地の軍用機の騒音が酷いなど、負の問題も、他の土地に暮す事と同様に苦労がある。
決して地上の楽園として、幸せ以外の物は存在しない訳でもないらしい。
西田演じる奈々子は、沖縄出身で今回は里帰り中だが、その奈々子の祖母が実は、娘時代の恋人が島に戻って来た事を知り、その日を境に、昔の恋を再び追い求めると言う何とも暑~いお話だ。
しかし、暑いのは沖縄の気候ばかりでは無く、人の心も情熱的で暑く燃えているらしい。
今では結婚し、子供だけで無く、孫が結婚出来る年齢に成長し、初老を迎えたオバア、ナビィが、結婚出来なかった初恋のオジイと駆け落ちするまでの物語を、方言たっぷりの島唄とコミカルなセリフで、恋物語を謳い上げる。オバアに振られる夫のオジイが可愛い!
観ているこちらが、恥ずかしくなる程に、一途で情熱的な恋だ。そして、沖縄ならではの、ユタと言う占い師が、このナビィの恋に反対する。そんな沖縄の文化と素朴な人の掛け合いの数々を民謡と共に描いてゆくこの映画で、沖縄を堪能するのも楽しいものだ。
ながい片思いと恋と沖縄と
ナビィという名のおばあちゃんと、そのおばあちゃんがずっと好きだった人との再会の恋愛物語です。沖縄のからんとした綺麗な景色がとてもいい雰囲気です。ふつうに笑って楽しめる恋愛映画ですが、おばあとおばあの好きな人との再会シーンではわたしは涙ぽろぽろでした。良かったです。
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