「芸者の生きざま」流れる jarinkochieさんの映画レビュー(感想・評価)
芸者の生きざま
オールスター女優の競演が 変に総花的にならず上手くいった
置き屋の主人つた奴(山田)を軸に 玄人と素人の対比、そこに出入りする人々を描いている
女達がぶつかる中で 男に捨てられ魂が抜けたような、だらしない米子(中北)の空気感が面白かった
(つた奴の妹とは思えない)
その矜持も男運の悪さも才覚のなさも 金策の邪魔になり家屋を手離すことになる つた奴の年増の色香と悲哀が美しい
また、その日暮らしで年下の男に捨てられた 通いの芸者染香(杉村)
彼女の所作が素晴らしい
この二人が その欠点を含め芸者らしく 魅力的だった
着物の着付の場面(岡田/山田)は華やぐ
衣装考証は岩田専太郎
料亭経営等に才覚を示し、したたかなお浜(栗原すみ子 迫力)が怖いが、彼女にはもはや芸者の心が無いこともわかる
ラストのつた奴と染香の三味線での〈神田祭〉には 女中(田中)と共に消えゆく花柳界に思いをはせることになる
女同士のちょっと意地悪な本音も 面白かったです
コメントする