「人情物語は苦い薬を飲ませるための糖衣だったのです」長屋紳士録 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
人情物語は苦い薬を飲ませるための糖衣だったのです
昭和22年、1947年5月公開
戦後第1作です
戦争を挟んで5年のブランクの肩慣らしの一作ながら見応えはたっぷりです
戦後すぐの混乱期のお話
それを題名どおりなんだか落語の貧乏長屋のお話のような人情物語としてまとめあげられています
それでいてただの人情話で終わらない、そして戦後すぐだからこそのメッセージを終盤で発しています
敗戦の衝撃で、日本人は人間性を失った薄情で情けない人間にまで成り下がってしまっていないか?という告発に胸を突かれます
人情物語は苦い薬を飲ませるための糖衣だったのです
飯田蝶子の名演技をたっぷりと堪能できます
素晴らしい女優です
終盤に沢山泣かされました
小津監督らしい構図、映像もしっかりと観ることができます
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