劇場公開日 1989年11月11日

「"浪速のロッキー"」どついたるねん 万年 東一さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5"浪速のロッキー"

2020年4月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

楽しい

興奮

触るモノ皆傷つける、まるでマンガに出て来そうな破天荒キャラを、赤井英和が自で演じる。

怪しい美川憲一をはじめ、コミカル要素満載な雰囲気の中、不器用な男の真っ直ぐしか見定められない人生と強情さに見え隠れする弱さと甘えをどストレートに捉え、役者としての巧さより魅力溢れる人物像で押し通す阪本順治の目の付け所が素晴らしい。

良くも悪くも真面目一辺倒な粗い演技の赤井英和、バランスを取るように原田芳雄のコミカルな存在感が、映画としての本作を際立たせる。

実際にプロボクサーとしての赤井英和を終わらせた大和田正春とのシャドーは鳥肌が立つし、タオルを投げるラストシーンは逸品だ。

万年 東一