東京湾炎上のレビュー・感想・評価
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今の時代じゃ別の意味で大炎上しそうな大爆発
結局東京湾は炎上しなかったのね。想像上のシミュレーションだったのね。
最大の見せ場である、鹿児島の石油コンビナートへの自衛隊機での攻撃爆破フェイク映像放送は、当時の特撮のレベルではかなりがんばった方だと思うです。
他の方のレビューを拝読すると、その道ではトップに君臨する著名な技師さんの手によるものだったのですね。
私、全く不勉強だわ…(。´・_・`。)
炎に包まれるというよりも、ガチで大爆発の大炎上が見ものでした。かなり大掛かりなセットであると思ったです。
ラストで「テレビで放送されたのが真実だ」のように言っていたけれど、ネット全盛の今のご時世じゃ、こっちの発言の方が大炎上しそう。
ネット民こわい。
昭和演出
巨大タンカーのシージャック、犯人たちは金品目的でなく政治テロ、自爆する覚悟だから始末が悪い。もし、東京湾で20万トンの原油が流出、炎上したら首都壊滅と言っていたが本当だろうか、映画の前年に東京湾で実際にタンカー第十雄洋丸衝突事故が発生、積み荷は原油ではなくLPGやナフサなど57、000トンと映画に比べると少量だがそれでも自衛隊に沈められるまで20日間以上燃え続けたという。映画だから誇張は有るのだろうが大惨事になりそうなことは想像に難くない。
特撮は爆破の中野と謳われた中野昭慶さん、劇中でも特撮が重要な役割だから面目躍如といったところでした。
面白かったのはキャスティング、丹波さんが船長なら大丈夫と期待したが外れるし、宍戸錠さんならアクションはお手の物、テロリストなど一撃と思っていたら凄むだけ、元祖仮面ライダーの藤岡弘さんがロマンスまで絡めて主役のようだが苦戦し通し、水谷豊さんは希望して悪役を演じたらしい、撃たれてもなかなか死なないのは監督のサービスなのかも。
テロリストは6人だし、船員の方が多いのだからいずれ倒すだろうと予想が着くが、気を揉ませるのが主眼のようで中盤はかったるい。政府の対応もトリックが肝なのだろうが大博打と頼りない、どうせ特殊部隊を送るならもっと早くにすればいいのに・・。
犠牲者を湿っぽく見せる演出や歌謡ドラマのような唄やロマンス挿入など昭和を感じさせる映画でした。
特撮で欺け!マンモスタンカー危機一発!!
DVDで鑑賞。
原作(田中光二「爆発の臨界」)は未読です。
石油を満載したマンモスタンカー“アラビアン・ライト”がシージャックされた。犯人たちの要求は、鹿児島県のコンビナートを航空自衛隊の爆撃によって破壊し、その様子を全世界に生中継せよと云う前代未聞のものだった。困り果てた日本政府は、特撮でつくった臨場感たっぷりのニセモノ映像をテレビに流し、テロリストを欺く計画を実行したのだったが…。
特撮映像で犯人を欺く作戦は、今で言うところのメタ的な意味合いがあって、非常に面白いアイデアだなと思いました。
“爆破の中野”の異名を取る特技監督・中野昭慶の面目躍如たるコンビナート爆破のニセ映像は、テロリストも騙されて当然のクォリティーだなと思いました。火薬量限界突破の爆破を見せるのに、コンビナートほどうってつけの場所は無い!
タンカーが爆破された場合のシミュレーション映像では、迫力の都市爆破シーンが描かれ、後の特撮作品でも流用されているシーンのオリジナルを観ることが出来て感無量でした。
特撮のクォリティーは高水準だったのに対し、ストーリーが如何ともし難いものでした。全体的に緊迫感はありましたが、カタコトなりとも日本語を習得していると云う都合の良いテロリスト像にゲンナリさせられたし、簡単に語るに落ちてしまう警察上層部のおバカ加減にこれまたゲンナリ…www
テロリストの末路も仲間割れからのマシンガンの撃ち合いで全滅と云う順当過ぎて面白くない展開だったし、藤岡弘、が主人公とは云えヒーロー然とし過ぎているのも納得がいきませんでした。石油タンクの上だから銃を使うと危険だとは云え、テロリストと素手で勝負しようと考えるか普通?(笑)
人気ドラマ「相棒」での変人警部役のイメージが強かった水谷豊が、テロリスト役で出演しているのが、個人的に目に新しく映りました。準主役的な役回りでしたし、死に様も水中銃で串刺しにされると云う壮絶さに驚きました…。
【余談】
タイトルは「東京湾炎上」ですが、結果的に東京湾は炎上しませんでした。これは「新幹線大爆破」も同様。最終的に新幹線の爆破は防がれました。タイトル通りのことが起こったのは私の知る限り、「日本沈没」くらいじゃないかなぁ?
【注】
レビュータイトルは漢字間違いじゃなくてわざとだよ…(笑)
原作を読まないと理解不能
初期稿の段階では、原作『爆発の臨界』通り主人公とヒロインは離婚寸前の夫婦。事件の真相を追う新聞記者はヒロインの兄……と、実作品ではバラバラになってしまった3つの視点に共通項が設定されていました。ちなみにクライマックスに唐突に出てくる特殊潜水服も、ヒロインが開発に携わっていたもので、そのために主人公がその存在を知っていて持ってこさせるという展開だったのです。
ところが、丹波哲郎が船長として出演することが決まったあたりの脚本から、船長の出番が増えたあおりで前述の関係性は消滅。そのためドラマとしてはチグハグな印象が残ることになってしまいました。
しかし、特撮のすごさは必見でしょう。
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