「昭和演出」東京湾炎上 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
昭和演出
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巨大タンカーのシージャック、犯人たちは金品目的でなく政治テロ、自爆する覚悟だから始末が悪い。もし、東京湾で20万トンの原油が流出、炎上したら首都壊滅と言っていたが本当だろうか、映画の前年に東京湾で実際にタンカー第十雄洋丸衝突事故が発生、積み荷は原油ではなくLPGやナフサなど57、000トンと映画に比べると少量だがそれでも自衛隊に沈められるまで20日間以上燃え続けたという。映画だから誇張は有るのだろうが大惨事になりそうなことは想像に難くない。
特撮は爆破の中野と謳われた中野昭慶さん、劇中でも特撮が重要な役割だから面目躍如といったところでした。
面白かったのはキャスティング、丹波さんが船長なら大丈夫と期待したが外れるし、宍戸錠さんならアクションはお手の物、テロリストなど一撃と思っていたら凄むだけ、元祖仮面ライダーの藤岡弘さんがロマンスまで絡めて主役のようだが苦戦し通し、水谷豊さんは希望して悪役を演じたらしい、撃たれてもなかなか死なないのは監督のサービスなのかも。
テロリストは6人だし、船員の方が多いのだからいずれ倒すだろうと予想が着くが、気を揉ませるのが主眼のようで中盤はかったるい。政府の対応もトリックが肝なのだろうが大博打と頼りない、どうせ特殊部隊を送るならもっと早くにすればいいのに・・。
犠牲者を湿っぽく見せる演出や歌謡ドラマのような唄やロマンス挿入など昭和を感じさせる映画でした。
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