「特撮で欺け!マンモスタンカー危機一発!!」東京湾炎上 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
特撮で欺け!マンモスタンカー危機一発!!
DVDで鑑賞。
原作(田中光二「爆発の臨界」)は未読です。
石油を満載したマンモスタンカー“アラビアン・ライト”がシージャックされた。犯人たちの要求は、鹿児島県のコンビナートを航空自衛隊の爆撃によって破壊し、その様子を全世界に生中継せよと云う前代未聞のものだった。困り果てた日本政府は、特撮でつくった臨場感たっぷりのニセモノ映像をテレビに流し、テロリストを欺く計画を実行したのだったが…。
特撮映像で犯人を欺く作戦は、今で言うところのメタ的な意味合いがあって、非常に面白いアイデアだなと思いました。
“爆破の中野”の異名を取る特技監督・中野昭慶の面目躍如たるコンビナート爆破のニセ映像は、テロリストも騙されて当然のクォリティーだなと思いました。火薬量限界突破の爆破を見せるのに、コンビナートほどうってつけの場所は無い!
タンカーが爆破された場合のシミュレーション映像では、迫力の都市爆破シーンが描かれ、後の特撮作品でも流用されているシーンのオリジナルを観ることが出来て感無量でした。
特撮のクォリティーは高水準だったのに対し、ストーリーが如何ともし難いものでした。全体的に緊迫感はありましたが、カタコトなりとも日本語を習得していると云う都合の良いテロリスト像にゲンナリさせられたし、簡単に語るに落ちてしまう警察上層部のおバカ加減にこれまたゲンナリ…www
テロリストの末路も仲間割れからのマシンガンの撃ち合いで全滅と云う順当過ぎて面白くない展開だったし、藤岡弘、が主人公とは云えヒーロー然とし過ぎているのも納得がいきませんでした。石油タンクの上だから銃を使うと危険だとは云え、テロリストと素手で勝負しようと考えるか普通?(笑)
人気ドラマ「相棒」での変人警部役のイメージが強かった水谷豊が、テロリスト役で出演しているのが、個人的に目に新しく映りました。準主役的な役回りでしたし、死に様も水中銃で串刺しにされると云う壮絶さに驚きました…。
【余談】
タイトルは「東京湾炎上」ですが、結果的に東京湾は炎上しませんでした。これは「新幹線大爆破」も同様。最終的に新幹線の爆破は防がれました。タイトル通りのことが起こったのは私の知る限り、「日本沈没」くらいじゃないかなぁ?
【注】
レビュータイトルは漢字間違いじゃなくてわざとだよ…(笑)