「批判的に、観るべき」東京裁判 Yujiさんの映画レビュー(感想・評価)
批判的に、観るべき
満席でした。貴重な映像の持つインパクトは圧巻で、とても見応えがあります。従軍記者って戦果の報道だけじゃなく、記録する役割があるのだなと実感。当時の日本が置かれた状況を東京裁判の進行に沿って追う4時間半の大作。戦後の裁判の進行と、戦中の国の歩みと2つの時間軸がコロコロ入れ替わるので、頭の切り替えが要ります。
構成は素晴らしい。しかし昔の人が皇族方を呼び捨てにするシーンは当時のこととしても、ナレーションが天皇陛下を天皇と呼び捨てにしたり、捕虜虐待の疑いをかけられた軍人を「残虐な人間性である」(正確なセリフは忘れました)と言い切るのはいただけない。その「前提として、戦犯は悪いことをした」式の決め付けは、戦意高揚の宣伝と同じ“プロパガンダ”ではないでしょうか。
せっかくいい映画なのに、ナレーションの解説部分は分かりやすいのに。場面場面をクリティカルに観賞することをおすすめします。
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