劇場公開日 1965年3月20日

「焼け野原から20年で開催出来る国になった意味」東京オリンピック 星組さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 焼け野原から20年で開催出来る国になった意味

2025年11月2日
PCから投稿

「記録なのか芸術なのか」

記録として監督を市川崑に依頼した
その時点で記録も作るが芸術も作る
当たり前のことで、それが映画監督。
記録だけなら降りている。

制作と技術の英知

「芸術か記録か」
建物を壊す記録としての冒頭
聖火リレーの記録と芸術部分
変化に富んだカットの積み重ね
そして、あのスローモーション
初めて羽田に多くの外国人を迎え
「ようこそ…」と優しく語る
真心のこもったナレーション
開会式の顔、顔、顔、赤と白、
多数のキャメラ、望遠や広角レンズ
心躍る人々の姿と競技
勝者と敗者の姿を捉えた。
甲州街道を埋め尽くす人々
屋根の上に居座る人々
競技以外の記録も撮った。

委員会の一部の人は怒った
自分の思った記録映画と違うと
スローの意味がわからない
人の喜ぶ姿は必要ない
事実をなぞれ、芸術は見たくない。

もし、純粋に記録だけの映画なら
フイルムは倉庫に眠っている。
その人にはそれがわからない。

「文化とは何か」
人の手による記録であり
人の手による芸術でもある。

スポーツが純粋だった時代
金まみれになる前の時代
その貴重な記録であり
誰も見たこともない世界
それを芸術として作った。

日本が初めて経験した1964年
世界が初めて見た日本の姿
映画は残った。

星組
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