鉄と鉛のレビュー・感想・評価
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1997年の作品なのに昭和の香りに咽せる和製ハードボイルドの隠れた名作
人探しに長けていることで知られる元刑事の探偵はその的確な仕事ぶりゆえに面倒な事件に巻き込まれ、ヤクザの組長に22時間後の死刑宣告を受けてしまう。簡単に身辺整理を済ませた探偵は人生の最後の仕事として前科持ちの兄を探して欲しいという少女の依頼を引き受け聞き込みを始めるが、彼の背後には監視役のヤクザがついていた。
『ビー・バップ・ハイスクール』が代表作の漫画家きうちかずひろが監督と脚本を務めたハードボイルド作品。レンブラントの絵画のようなずっしり重い闇の中を駆ける探偵とヤクザが織りなす贅肉の欠片もないソリッドな物語。実際に親友だったという渡瀬恒彦と成瀬正孝がボロボロに傷つきながら言葉少なに友情を紡ぐ様を捉えた奥行きのある映像がとにかく美しい。35mmフィルム上映なので四半世紀前にレンタルビデオで観た時よりも陰影が際立っていて、咽せるようなノワール感が全編に漂っていたのが印象的。思春期に観た角川映画の諸作品で仙元誠三の作家性が骨身に染みているので1997年の作品なのに昭和へのノスタルジーがガツンと込み上げてきました。
渋いアクション映画
日本でリアルに成立するアクション映画として非常に計算された地に足のついたアクション映画だった。
新人の酒井彩名がとてもかわいくてたまらなかったし渡瀬恒彦もかっこよかった。敵のチンピラも嫌な感じがとてもでていてよかった。
主人公と敵が激しく命のやりとりをする割に関係性が薄くて、ぶち殺してもそんなにすっきりしなかった。敵が人質の子供を連れまわすけど、置いて金だけ持って逃げろよとイライラした。
昔、レンタルビデオで見たようなつもりでいたのだが、全く思い出せる場面がなかったので、見るのは初めてだったかもしれない。借りただけで見ずに返したのかな。
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