帝都物語のレビュー・感想・評価
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加藤保憲=嶋田久作という適材適所
"帝都物語" シリーズ第1作。
Amazon Prime Videoで3回目の鑑賞。
原作は未読です。
明治、大正、昭和に掛けて、平将門の怨霊を目覚めさせ帝都・東京を破壊しようと暗躍する加藤保憲(嶋田久作)と、その企みを阻止するために戦う人々の姿を描いた伝奇大作。
渋沢栄一、幸田露伴などの実在の人物や関東大震災などの史実を織り込みながら展開されるオカルティックな物語を、実相寺昭雄監督が類稀なる映像センスを十二分に炸裂させ、その唯一無二の世界観を見事に描き出しているなと思いました。
クリーチャーや関東大震災を描く特撮、当時の東京の街並みを再現したオープンセット、呪術や超能力を表現するVFX…そのどれもが当時としては抜群のクォリティーを誇っており特撮ファンとしては見過ごせないものばかりで大興奮でした。
本作最大の魅力はと言えば、加藤保憲を演じる嶋田久作のハマリ具合の素晴らしさでしょう。荒俣宏が嶋田久作の姿に合わせて原作の加藤の人物描写を書き直したと云うほど…
なんとも言えない不気味さを放つ顔つきと云うか、目力の強さのすごいことこの上無し。この役を演るために生れて来たのではないかと思いたくなるくらいの適材適所ぶりに改めて感服すると共に、一生色褪せないものだと感じました。
[余談]
エンドクレジット終わりの「加藤保憲 WILL RETURN」が、なんだかMCUみたいで笑ってしまいました(笑)。
加藤の不気味さが凄すぎる
古き日本ならではの、都市計画や陰陽師の活躍、そして加藤の恐ろしさがいい!
有無を言わさずに霊的な存在を『当たり前』とされる。
とにかく嶋田久作の演じる加藤の不気味さが凄い。
私がこの映画を初めて観たのはだいぶ子供の頃だが、その姿がずっと忘れられなかった。
ITのピエロ的なインパクトがある。
黒い紙がカラスに変化するシーンや、鼠風の化け物が走り回るシーンもよく出来ている。
映像の質とストーリーのバランスが良いので、B級っぽい粗に興醒めすることなく楽しめた。
雷や爆発シーンがしょぼくないのも嬉しい。
後半のロボットにはある意味度肝を抜かれたが…
また、明治・大正・昭和へ移り変わるたび、各時代の風景やファッションも楽しめる。
特に背景が昭和に移ってからは、ビヤホールでくつろぐ人々がオシャレだ。
音の使い方やカメラワークも上手いので、飽きずに観られる。
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