「構成がとてもよくてワクワクした」妻として女として talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
構成がとてもよくてワクワクした
淡島千景に憧れて名前の一部を頂いたと言われる淡路恵子が出ていて、藤間紫も出ていてそれだけで興奮した。
高峰秀子と淡島千景、(二人の対決、美しさ、着物全てがかっこよい)それぞれの痛みと悔しさと我慢に心から共感した。NO!と言えない、現状維持以外は何も考えられない男を演じたら右に出る者がいないと思われる森雅之!夫としても父親としても愛人としても大学教授としても情けない男だった。情けない男が中間に居なければ、二人の賢い女性は互いの立場と心情を理解するよきパートナーになれるのではないか、とさえ思った。
おばあちゃん役の飯田蝶子がとても良かった。自分の小唄の師匠と雰囲気がとても似ていて登場するたんび、小唄を口ずさむ様子を見るたんびに笑えて仕方なかった。ああいう顔のおばあちゃんを見ると何だか安心する。
子ども達はショックを受けたろうが、前向きの強さと若さがあって希望を感じた。
妻って何?母親って何?愛人って何?女が生きてる意味って何?と、今も通じる問題をグサグサえぐって提示しながら、なぜか希望も与えてくれて、女の強さを最後には見せてくれる成瀬監督はすごいと思った。話を単純化しないことの重要性を笑いと共に映像化してくれる。こういう監督がいたこと、映画があったことに感動した。見ることができて本当に良かった。
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