「生死に執着している華麗な絵巻物」ツィゴイネルワイゼン プンゲンストウヒさんの映画レビュー(感想・評価)
生死に執着している華麗な絵巻物
とにかく食べる、とにかく意味不明なエピソードが次々に起こる。
ストーリーではなく場面展覧会であるがその絵がこれまた執着的に麗しい。
満開の桜、釈迦堂の切通、古風で洒落た洋館、黄泉のような屋敷、意味のわからないドイツ語談義、幻聴的な裸身の男の苦行的場面、骨への執着、女の悲劇、偏執的なちぎりこんにゃく、そうして何度も釈迦堂の切通を往来しているうちにどうも現実でない世界に引き摺り込まれていく怪異。
好き嫌いは分かれるがこんな映画は誰も作れないだろうと思うと現代版日本霊異記の絵巻物と思えて面白い
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