「蓼科ゾンビ伝説。または、蓼科吸血鬼伝説」幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
蓼科ゾンビ伝説。または、蓼科吸血鬼伝説
70年頃というと、TVドラマのキーハンターとかザ・ガードマンなどでも怪談もののエピソードが多かった。この作品もそんな怪談人気にあやかって作られたんじゃないか?と思わせるほど、サスペンス部分と不気味なホラー部分が融合している。
中村敦夫が嵐の中タクシーに乗って恋人の住む野々村家の屋敷を訪れる。山の中に向かうんだったら、運転手も帰りの時間を訊いておけば、彼が行方知れずになるのを防げたのかもしれない。いや、気前のいいあんちゃんだから、絶対に呼んでくれるって!と、職業柄、つい突っ込んでしまいました。
源三演ずる高品格も口がきけないふてぶてしい奴だったが、それにしても圭子(松尾嘉代)と浩(中尾彬)も図々しいというか、かなり失礼。いくら兄が行方不明だからといって一宿を強制したりとか、役場や医者に対しても刑事のような口の利き方をするのだ。そもそも、警察にまったく頼らない時点で彼らのミスは確実となるのです。まぁ、死んだはずの夕子を見たとか見ないとか、その恐怖自身も目の錯覚を疑わないというオカルト肯定派。土葬にしたって掘り返すことの非礼さには開いた口が塞がらない。
そんなストーリーの中、終盤の展開だけは面白い。さすがに瀕死の状態の者に催眠術をかけたからといって治癒するわけじゃないし(てか、無理だし)、それが殺人鬼のどうとかこうとかと奇想天外なこじつけにはさらに呆然とさせられる。でも凄い!こんな発想は普通の人には生まれない。もうちょっと科学的に解説されるなら、人々の共感も得られたかもしれない・・・で、人形は血を吸ったっけ?
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