丹下左膳余話 百万両の壺のレビュー・感想・評価
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全く古さを感じない面白さ!
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※丹下左膳餘話 百萬兩の壺
Amazon Prime Videoで鑑賞。
「キネマ旬報」のオールタイム・ベスト(2009年版)で第7位にランクインしていた本作、ようやく鑑賞出来ました。
丹下左膳の躍動感とコミカルさが秀逸であり、大河内傳次郎の貫禄も相まって、とても魅力的なキャラクターでした。
元々は冷たい印象のキャラだそうで、改変に原作者も苦言を呈したらしいですが、大胆なキャラ変は寧ろ正解だな、と…
(あ、改変しているから「餘話」なのか…)
固定されたカメラワークや舞台劇のような人物配置は逆に新鮮で、コメディーの定石を踏まえた演出も古く無かったです。
壺をヒッチコック作品で言うところの「マクガフィン」とした物語も面白く、娯楽作品のスタンダードだと思いました。
人情モノとしての機微も深く、丹下左膳がちょび安の親代わりになっていく過程が非常に良くて、ほろりとしました。
戦前の映画とは思えないほど、面白くて愉快で痛快で、驚きました。これが山中貞雄監督が27歳でつくり上げた作品と言うのだから恐れ入る。こんなに非凡な才能をお持ちの監督が、若くして戦争で亡くなられたのが残念でなりません。
[余談]
最後の殺陣がGHQにカットされてしまったのがなんとも悔しい限り。クライマックスを彩るシーンだったはずなのに…
[追記(2023/12/04)]
復活したチャンバラのシーンが無声なのは残念ですが、これが有ると無いとではえらい違いだなと思いました。
[以降の鑑賞記録]
2023/12/04:アマプラ(日活プラス,4Kデジタル復元・最長版)
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