劇場公開日 1959年1月3日

丹下左膳 怒濤篇のレビュー・感想・評価

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3.5大友柳太朗版丹下左膳5作2本目

2023年12月8日
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監督は『七つの顔』『十三の眼』『赤穂浪士 天の巻 地の巻』『鳳城の花嫁』『忠臣蔵 櫻花の巻・菊花の巻』『水戸黄門 天下の副将軍』『新吾十番勝負第三部』の松田定次
脚本は『鳳城の花嫁』『丹下左膳(1958)』『新吾十番勝負第三部』『新吾十番勝負完結編』の中山文夫

あらすじ
大海賊が隠した財宝のありかを示す金竜・銀竜の香炉のうちの一つ金竜を将軍吉宗はそれとは知らず柳生家に贈った
銀竜をすでに手中に収めていた海賊の子孫である豪商長崎屋十兵衛は豊臣の残党鈴川源十郎らと手を組み金竜をも手に入れ徳川幕府転覆を狙い内戦を起こそうと目論んでいた
なんやかんやで銀竜の香炉を手に入れた丹下左膳は100万両の価値があることも知らず鈴川源十郎に100両で売ってしまう
銀の香炉を手に入れることができなかった保険としてお藤とちょび安を誘拐した長崎屋鈴川一味は秘密を知られたからにはと返す約束は反故にして毒物で2人を殺そうとしてしていた
救出に向かう伊吹大作と遅れてやってきた怒り狂う丹下左膳
最後の締めは大岡越前忠相登場で一件落着

この作品はVHS化はされているがDVD化はされていない
VHSでも配信されるらしい
VHS特有の映像の乱れがほんの少しあった
それでも大川橋蔵はハンサムだった

セミオールスターキャスト
片岡千恵蔵と市川右太衛門と中村錦之助と東千代之介と丘さとみが出ていないから

1番の見どころはやはりクライマックス
長崎屋鈴川一味を大作と左膳がやっつける場面から大岡越前が登場し若年寄らも召し捕るシーン

それ以外では盗賊と間違われた伊吹大作を演じる大川橋蔵と追い詰める丹下左膳を演じる大犮柳太朗による殺陣の大立ち回り
剣戟スター同士の対決
明朗快活豪快な大犮柳太朗の殺陣は丹下左膳という特殊な役も相まって変則的で切られ役も座布団を忍ばせるなど防御対策
歌舞伎の所作が身に染み付いている華麗なる大川橋蔵の殺陣はまるで日本舞踊のよう

ちょび安役に今回も松島トモ子
当時そろそろ14歳でさすがに無理が出てきた
とはいえ美少年をあえて女性俳優が演じることはわりとあること
私立探偵明智小五郎の助手小林少年を過去に三輪ひとみや佐久間由衣らが演じている
男の子役に松田定次監督のお眼鏡に叶う者はいなかったのだろう

長崎屋十兵衛役の三島雅夫が悪役としてとても良い味を出していた
ネットリとした感じがたまらない

長崎の宝を放棄した将軍は長屋連中に譲り一行は長屋暮らしを捨てて船に乗って宝の島へ

配役
片目隻腕の剣豪の丹下左膳に大友柳太朗
南町奉行与力の伊吹大作に大川橋蔵
丹下左膳を居候させているお藤に長谷川裕見子
左膳とお藤の養子になった甘酒屋のちょび安に松島トモ子
お藤の子分で泥棒の鼓の与吉に多々良純
将軍吉宗に里見浩太朗
大岡越前守に月形龍之介
長屋暮らしで傘作りを生業にしている浪人だが実は大岡越前守を忠相と呼ぶ親しい間柄の蒲生泰軒に大河内傳次郎
吉宗に仕える愚楽老人に薄田研二
長屋住まいで借金の形に吉原に売られそうになっているお艶に桜町弘子
大岡越前守の娘の弥生に大川恵子
鈴川と手を組む海賊の子孫の豪商長崎屋の主人の長崎屋十兵衛に三島雅夫
徳川幕府転覆を狙う豊臣家残党の鈴川源十郎に山形勲
徳川譜代の名門で若年寄ながら長崎屋鈴川一味と手を組む安藤上総介に宇佐美淳也
十兵衛の手下の弥兵衛に吉田義夫
鈴川の家来の速見左兵衛に神田隆
鈴川と同志の島津藩主に加賀邦男
長屋住まいのお艶の祖父の作爺に左卜全
長屋住まいの三助に杉狂介
長屋住まいのおくらに赤木春恵
作爺が住む長屋に怒鳴り込んできた借金取りの半助に沢村宗之助
鈴川道場の門弟の1人に汐路章

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野川新栄