「傑作、猫好きは注意。」太陽を盗んだ男 mdさんの映画レビュー(感想・評価)
傑作、猫好きは注意。
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今じゃ絶対できない撮影のオンパレード。ゲリラ撮影が多いらしく、79年風景の貴重な記録にもなっている。
「コントか」と揶揄されている表現の多くは、今量産されている日本映画でも死ぬほど観られるもの。つまり、日本映画のある種のいい加減さ、変な方向の過剰さは伝統的なもの。その上で比較した時、マジで飛び降りたり爆発したりしている過去の映画の方が生々しい緊張感があるし、何より今の日本映画で、ここまで政治的メッセージを持たせ、時代の空気感まで保存しているものがどれほどあるだろうと考えるとこの映画がどれだけ優れていることか。
「原爆なんて作れるわけねーだろ」は当たり前だけど、爆弾制作の過程を尺を使って丁寧に丁寧に描いているので、物語の中で一定の説得力をもっている。
ガイガーカウンターをマイクにしてはしゃぐジュリー、皇居へバス突撃(寸前)、ビルから(偽)万札ばら撒き(黒沢清逮捕)など名シーンのオンパレード。
何より、一級の娯楽作品。名作。
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