太陽を盗んだ男のレビュー・感想・評価
全62件中、1~20件目を表示
70年代の狂気と虚無を映し出す、ただならぬエネルギーの映画
家庭で原爆を作ってしまう高校教師。そんな荒唐無稽な設定にもかかわらず、リアルな空気感が漂う。劇中の描写には妙な現実味があり、「もしかしてこれは、本当に起きてもおかしくないのでは」と思わせる説得力がある。
しかし最大の謎は、彼の目的のなさだ。必死に原爆を作っておきながら、その使い道が「ナイター中継の延長」や「ローリング・ストーンズを日本に呼ぶこと」。あまりに馬鹿馬鹿しく、しかしそれがこの時代の“空虚な反抗”を象徴しているようで痛烈だった。
この映画は、70年代の社会のカオスと、それに抗う若者のエネルギーを強烈にパッケージしている。学生運動が終焉を迎え、全共闘が残した余熱が鬱屈とした虚無感へと変質した時代背景。そのなかで若者は怒りや違和感を抱えながらも、明確な敵を見失い、暴走と逃避を繰り返す。
主演・沢田研二の演技はどこか素人っぽいが、むしろその素人性こそが彼の持つ“市井のカリスマ性”を引き立てている。雑に扱われる原爆、カバンの中で揺れる放射性物質、そして逃げる警察とのカーチェイス。すべてが緊張感と滑稽さを共存させ、ただの娯楽作には終わらない。
自分自身はこの時代より少し後の“しらけ世代”に育ったが、この映画が描く混沌や怒りには、不思議と共感してしまう。
今、社会の理不尽さに対して怒りを燃やすことは少なくなったかもしれない。しかし、だからこそこのような作品が、自分のなかの熱を呼び覚ましてくれる。
映画を観終えた後、「このまま、何もしないで生きていていいのか?」と自分に問いかけたくなるような、静かだが強い衝撃を受けた一本。
熱狂的な支持の理由もわかる
色々と驚いた
アマプラでオススメとして表示されたので、予備知識ゼロで視聴。
予定調和の無い展開に驚いた。
視聴後、他の方のレビューを見て「太陽を盗んだ男」のタイトルは、映画のラストシーンから・・・・・なるほど。また驚く。
沢田研二
素晴しかった。気だるさと狂気、そして色気。当時の実力派俳優が脇を固める中の歌手であるジュリー、一歩も引けをとりませんでした。
菅原文太
こちらも絶品。ジュリーとは別ベクトルの格好良さがほとばしる。沢田研二とのクライマックスの対決シーン。そんな馬鹿な!というツッコミを超越する「爆発をさせたら駄目だ!!」という責任感、使命感の強さを感じました。 カーチェイス後の爆発シーンはあれは御本人??爆発と近すぎない???CGでは絶対出せない迫力。
池上季実子
昔から今も美人な方ですが、ちょっと石原さとみさんの雰囲気も漂う美しさ。80年代の軽さを感じさせる。素晴しかった。
伊藤雄之助
バスジャックの犯人。テレビ越しからでもあの狂気の顔つきと演技にビビった。凄みがあった
凄い作品。でも誰もが知っている「名作」にはなれず、カルト映画の名作と言われている。
テーマや撮影方法が攻め過ぎたのかな。
城戸誠の行動動機が弱かったことに加え、刑事と犯人の捕物帖が軸ではなく、原子力や当時の日本の空気感に対するメッセージ性が軸だったことがカルトとしての地位を固めたのかもと勝手に解釈。
久し振りに「うぉぉぉ!まぢか!!」と衝撃を受けた作品でした。
監督は才気溢れるアマチュアだったんじゃないかな
昔、”大地の子守唄”という映画が好きで、延々と映画館を渡り歩いた
多分、10回くらい観たかもしれない
併映が”青春の殺人者”
おのずとこちらも10回観たわけです
これも、印象深い作品だったなあ
これが、長谷川和彦の監督デビュー作で、次に監督したのが、この”太陽を盗んだ男”だった
そして、それ以降、映画を作っていないのに、大御所として大きな顔をしている不思議な人です
冒頭の太陽のシーンからワクワクさせられた
近未来SF映画っぽいのかな?と思ったら、なんとも、びっくりするくらいてんこ盛りの映画だった
まず、これは沢田研二のための映画だということ
人気絶頂のタイガースのボーカル
まだ、30歳だったんやねえ
色んなシチュエーションのジュリーが見られるお宝映画なのに、当時、見逃した女性ファンが多いのはご愁傷さま
ジュリーの百面相まで見れたのにね
そして、菅原文太との異種格闘技戦のようなわたりあい
これも凄かった
かと思えば
なんと、いかがわしい原爆の製作シーン
素人目に見てもオカシイ
あんな作り方だと即死すると思うんだけど
案の定、原爆病になってたけどね
池上季実子を挟んで
文太と恋のバトルをやってみたかと思えば、
カーチェイスをくりひろげ愛の逃避行
しまいには、道ずれ殺人で大爆破
ほんまに、てんこ盛り盛り
なのに、とってもわかりやすい
最近の何が起こったのかわからんような作品は見習って欲しいな
演出がうまいんだろうね
もう、この映画でやりたい事を全部やり尽くしたみたいな作品
昔、八神純子の曲を、アマチュアだと評した人がいた
彼女の曲一曲で私なら三曲つくれる
それくらい、内容が濃いという事
この作品、一作であらゆる映画を作ってしまったアマチュア
長谷川和彦はそういう人なのかもしれない
まあ、観客としてはお得間満載だね
もう、鬼籍に入られたスターが沢山いるのは時の流れを感じます
風間杜夫が若くて、オーラが全くない
タバコがハイライトばかりだったね
フィルター付きハイライトだった
オヤジはフィルターがついてない時からハイライトだった
あまり、いい思い出ではないけれど
時代を経て改めて今見ても、素晴らしい凄い映画であった。
1979年製作/147分/日本、配給:東宝、劇場公開日:1979年10月6日
1979年公開時に見てその斬新さ、及び時代性描写に大感激した映画。
改めて見て、原発侵入の際の静止画像も使ったリズミカルな映像、派手なジャンプや上部完全破損も有るカーアクション、お札が屋上から舞い散る百貨店ロケ撮影、等、なお新鮮さが維持されていて、ビックリ。
原発完成までの熱狂、支えてないと倒れてしまう様に思える高層ビルの人工性、凄い力を得たものの政府に要求するものを何も有しない虚無、都会の中で孤独な男女の共感と共闘など、公開時感じた時代の気分を描いた作家性は、今見てもなお健在。
冷静に今見てみて、皇居前のバスジャック撮影、国会議事堂への女装沢田研二の進入、科学技術館屋上での菅原文太との対決、首都高でのカーアクション、日本橋東急等でのゲリラ的撮影、すごいエネルギーを感じさせられる。なお、助監督が相米慎二で、助手が大学生であった黒沢清であったことは今回初めて知った。
やる気のない高校教師ながら原発作成に成功し、丸の内警察署捜査一課警部役の菅原文太と対峙する沢田研二の演技も、ギョウギョウしくなく実に自然で、素晴らしい。埠頭でラジオDJ池上季実子にキスした後、海に放り投げる演出意図は良く分からないのだが、当時は満たされた恋愛関係への拒否感と感じた覚えがある。
最初や最後の音楽は印象的であったが、作曲井上堯之で編曲星勝とか、へーそうだったんだ。
この映画でファンになった長谷川和彦監督、毎年毎年、新しい監督作を期待していたのだが・・・。
監督長谷川和彦、原案レナード・シュレイダー、脚本レナード・シュレイダー、 長谷川和彦
製作山本又一朗、プロデューサー伊地智啓、撮影監督鈴木達夫、照明熊谷秀夫、録音紅谷愃一、美術横尾嘉良、編集鈴木晄、音楽プロデューサー多賀英典、音楽作曲井上堯之、音楽編曲星勝、選曲小野寺修、助監督相米慎二、高橋芳郎、助手(進行係)黒沢清。
主演
沢田研二、菅原文太、池上季実子、北村和夫、神山繁、佐藤慶、伊藤雄之助、風間杜夫、江角英明、汐路章、市川好朗、中平哲仟、石山雄大、森大河、小松方正、草薙幸二郎、西田敏行、水谷豊。
感想メモ
ちょっと長く感じたけど、面白かった
撮影秘話を見ていたら、なんと皇居や国会議事堂でのシーンはゲリラ撮影らしい、屋上から金を撒くシーンもゲリラ撮影(偽札だけど)民衆混乱で撮影班が何人か逮捕されているという、時代を感じる作品
沢田研二演じる高校の物理教師、風船ガム食ってやる気なさげ、ずっと何か不満げな表情
金属プルトニウムを作る過程がやけに丁寧に描写されていて意外と面白い、暑さが伝わる
原爆作ったはいいが、何を要求するか決めていない、何がしたいかラジオで募集する、面白い
菅原文太、刑事役が似合いすぎる、かっこいい
最後の屋上でのアクションシーン!!不死身すぎて面白い、4、5回撃たれてもまだ立ち上がる、俺は犬だ!30年間この町を守ってきた犬だ!
その前のカーチェイスも圧巻、首都高ももちろんゲリラ撮影、車破壊、ジャンプ、爆破あり満足度高い
なんで原爆作ろうと思った??
この町はとっくに死んでいる、死んでいる人間を殺して何が悪い、殺したいのは自分自身?
これがあるからなんでも出来るというお守りのつもりか
原爆はアラジン魔法のランプ、相当ヤバいこと言ってる
最後はこの終わり方で正解だと思う
ツッコミどころ満載の映画…でもなさそう。衝撃のラストに背筋が凍りました
ジュリー(時代)がトラヴィスみたいなことやってるしw「バキューン!」「おまえは誰だ?」(笑)
そしてまた、バカ私が空脳してるし。バスジャック犯が、どう見ても大杉漣さんにしか見えなかったのさ(笑)時代考えろし!伊藤雄之介(特別出演)やし!
あのなぁ…ワイヤーカッター一本で侵入できるほど、原発のセキュリティーってガバガバなん?
えっとなぁ…国会議事堂って、妊婦の女装したら簡単に入れるん?
ほんでなぁ…あんな雨合羽よりも薄っぺらいビニール袋とガムテで隙間を塞いだヘルメット如きで放射能って防げるん?3日も経たんうちに死んでしまうんとちゃうのん?
って、まず思いました。勘違いしてちゃダメなので、調べることにしました。
国会議事堂の件は、こういうことでした。
「事前予約無しで誰でも無料で見学することができ、大人の社会科見学としても人気」だって。
プルトニウムの件も、いつものように知恵ブクラーの方にご助力を仰ぎました。
このようなお答えでした。(丸写し)
「プルトニウムの毒性はα線による長期的粉塵吸引が引き起こす発がん性ですから、3日とかいった短期間で死ぬことはありません。5年後やもっと後にがんや白血病で死に、被曝との関連が疑われるといったところです」
「プルトニウムは急性放射線障害を引き起こすほど強い放射線は出さないので、再処理によってプルトニウムを単離した後の加工工程では薄いガラスやアクリルの窓の付いたグローブボックスのゴム手袋越しに扱え、分厚い鉛ガラスやマニピュレーターを必要としません」
「防護衣の殆どは放射線を遮るためのものではなく、内部被曝を防ぐため、塵を通さない物なら何でもよく、専用品でも特別なものではなく隙間も普通のテープで塞いでいたりします」
な!なんだってぇぇぇーーー!!!!Σ(oдΟ;)!!
意外と大丈夫だったのですね。このツッコミの矛先はどこへ仕舞ったらいいんでしょうか?
でも国会議事堂のシーンは許可を得てのロケじゃなくて、隠し撮りゲリラ撮影だったのですね。ビックリだ!な!なんだってぇぇぇーーー!!!!Σ(oдΟ;)!!
きっと原発への侵入も、案外容易いのかもね。これもゲリラ的に。←それはない
でもね!これはちょっと言わせて!あまり詳しくはないけれど、銃器には興味あるから少し調べてみたさ。
木戸が交番の警察官から奪った拳銃。年代的にどうもニューナンブM60っぽいの。ここで何が問題かって言うと、木戸は確かに6発の銃弾を撃ってたさ。ところがニューナンブって拳銃は弾丸が5発装填なのさ。明らかに1発多く撃ってるさ。←重隅つつくなし!相変わらず銃声は「ズキューン!バキューン!」だし。古い邦画ってこのSEが苦手。美味しそうにハイライトを吸うシーンは好きなんですが。
非常に困ったことに本作、女装ネタの宝庫なんですよね。もうこの件に関しては触れないことにしたいのに…「私モロッコに行きたいの♡」(時代)だとか。そもそもジュリーの裸体や女装姿を頻繁に拝めるし。樹木希林さんが「ジュリィ~♡」(時代)って卒倒しそう。←これ、わかる年代の人にしかわかりませんよね。
そして「オカマだよ!こういう喋り方するんだよ!オカマの連中は!」←なんという決め打ち!w昨今のLGBTQ的に“オカマ”は立派な差別用語だよ!別に怒ってないよ!書きたかっただけなのさ!
ごめんなさい。またいつもの寄り道ばっかりですよね。
本作、どーしても文太兄ィが、いつ広島弁しゃべるのかが気になって仕方がなかったの。銃声が鳴るたびに、流血シーンがあるごとに、ちゃらら~♪ちゃらら~♪って“あの”劇伴が流れてくるような気がして仕方がなかったの。「時間がないんじゃ…時間が…」とか「爆破させる言うんなら今ここでさせないや。能書きはいらんよ」とか。返す刀でジュリーも「サツにチンコロしたんはおどれらか!」「あンたらもメシ喰えんような体になってもらいますけん!」って言ったり言わなかったりw←寄り道!
そうそう、標準語の文太兄ィがしれっとステマしてるんですよね。「日立のビーバールームエアコンってやつがいいらしいぜ」って。協力にも協賛にもどこにも日立のクレジットないのに。
物語もクライマックスのカーチェイスシーンが半端なく力入ってるんですよね。邦画でこれほどの規模の物、見たことないです。言い過ぎでもなんでもなくて、まさに現代のハリウッド級です。
オーラスの文太兄ィ、血塗れの渾身の演技がまさに圧巻でした。
そして、あのラスト。異次元級の不穏さ満点に背筋が凍りました。
本作を観終えた時に思ったこと。「これってアメリカン・ニューシネマの日本版を撮りたかったんじゃね?明らかにそうだよね」ってこと。
たったこれだけの感想を書くために、1800文字弱の茶番続けてきたさ。
いろいろすごかったけど、
だーいぶ前に見たことあったけど、改めて見てみた。
「こんな展開で、こんなに長かったっけ?」ってのが見たあとの感想(笑)
なかなかに主人公の変わりもんのキャラの芝居がクセありすぎて目にもつくけど、冒頭の催眠ガス?のスプレーのくだりやらバスジャックの展開も、なんなんだかというかんじで、それも時代を感じた。
そのバスジャックのくだりは時間とってたわりには、そのあとの展開にそこまで関係なかったような。
だいぶ前に見てみてから、その時の記憶がなく、初めて見た感覚。
それでも個人的には、なんか「なにが言いたい映画だったんだろう」、「あ、結局爆発しちゃったのか?」と、「えええー。。。」ってなかんじだった。
ドロボーあり、カーチェイスあり、タブーあり、銃撃戦あり、ハチャメチャではあるけど、「その時代でよく作った」というのは伝わる。
こういう映画なら最後は爆破解除して無事に終わるもんでもあろうに、その終わり方もそうだけど、結局ストーリー全体としてなにがしたかったのか、国や政府が大がかりに絡むでもなく、なにかメッセージ性があっての内容でもなく、ヤケになってるだけの話で終わってしまい、んー、、、というかんじ。
個人的には、主人公の長髪が終始気になって、汗かいて暑いだろうし防護マスクかぶったりもするのに、短く切ればいいのに、とも思ったり(笑)
あと、ボイスチェンジャーでのセリフは非常に聞きとりにくくてわかんなかった。
ただひとつ、池上季実子はかわいかった(笑)
でも彼女の登場、立場、役割はストーリーにいるか?(笑)
ちなみに、この映画を知ったきっかけは、今はカネなくてトンズラしてしまったかつての知り合いからの紹介だった。
この映画というとそいつを思い出すけど、今ごろ彼はどうしてるんだろう(笑)
沢田研二、かっこいい
1979年の作品ということなのだろう、原爆やプルトニウムに対しての意識の軽さは結構違和感がある。平和ボケなのか、裏を返せば今がより物騒な世界なのか。
シニカルで鬱屈とした空気感が日本を覆っていた時代、原爆を一教師が作り、それを使って権力を敵に回す痛快感は確かにあって、それがこの映画のいいところだろう。
20代の頃ビデオでこの作品を見たが、「ローリングストーンズを日本に呼ぶ」という現実的な要求と、菅原文太のしつこさがすごかったことを記憶している。
改めて見ると、突きつける要求も場当たり的で、そこには何の意図もない。バスジャックした男の天皇との狂気的なほどの面会要求との対比がそれを際立たせている。
今見ると全編空虚感が漂う作品だ。
しかし菅原文太演じる警部の強さとしつこさは度を超え笑えるほどで、これは後のターミネーター級。冒頭で、沢田研二の役どころを明確にするカットも冴えていてかっこいい。
カーチェイスはきっとこの頃全盛で「太陽にほえろ」バリで懐かしい。
ラストシーンはチープな「ドカーン」という音ともに黒にフェードアウトする。それまでの原爆、核のイメージが白のハイキーなトーンであることを考えると、ラストは原爆は不発であることを示唆しているのか。
チンケ
チンケ極まりない
昔ヴィデオでビール飲みながら、小さいテレビで見たけれど、途中で寝てしまったような記憶。今回ネットフリックスで観た。当時、パックインミュージックで
林美雄がエキストラを集めていたななんて思いだした。のっけから沢田研二がラッシュアワーで電車の窓に押し付けられ顔がゆがむカットのわざとらしさや嘘っぽさが、全編にわたる。展開、段取り、セリフ、がチンケ、不自然、幼稚、めちゃくちゃだ。笑ってしまった。よくこれで、公開当時、くそみそに批評されなかったものだ。これは、ひどい。これが1979年キネ旬の2位だって?ウィキペディアを見ると、伝説の映画になっているようだ。こりゃあ、駄目だ。長谷川和彦もこれ以後、撮っていない。
展開もセリフも演出もチンケで不自然。へたな学生映画だ。
山手線各駅停車
すごい映画だった
・原爆を作りたいって思った事ないので、とんでもない話だなと思った。それを脅迫に使うっていうのもすごい。ナイター中継、延長してよって軽いノリ?で言った事を叶えるためにおじさん達を右往左往させる感じも面白かった。
・冒頭のバスジャックは何のために?と思ったら、その時の刑事に相手役を頼むためっていう事だったら、確かに勇気ある警官って印象がとても残った。
・西田敏行と確か水谷豊が端役ってことに驚いた。
・原爆を作るところまでのシーンも細かくて良かったし、それを婦人もの?のバッグで運んでるのも良かった。今だと衝撃を吸収するためにできたバッグとかなんじゃないかなって思う。爆弾は丁寧だけどバッグは適当って感じが良かった。
・場所も西友だったかを貸し切ってるっぽかったし、ローリングストーンズ呼べよとか言って武道館借りて、何百人のエキストラで、道路を貸し切ってのカーチェイスとか、日本映画とは思えないスケールの大きさで驚いた。ストーンズが来るのかと思ったら来ないと嘘をついたっていうのも良かった。
・9番って名前のセンスも良かった。
・逆探知するために他の回線を止めるっていう手法がるのを知らなかったので面白かった。
・ラスト、菅原文太が死んで沢田研二が生き残って爆弾と共に町へっていうのも良かった。
・カーチェイスの時に真正面同士ですれ違った時に顔見えなかったのかな、と思った。マスクしてたかもだけど。
・爆弾を取り返す時に窓を破って来たけど、どうやって逃げたんだろうと少し疑問だった。長いロープを垂らしたのだろうか。
題名からカッコ良い。
とても面白かった。
70年代という事もあって受け入れられるのか心配だったけど、最後まで面白く観れました。
沢田研二さんの演技を初めて観たけど、
当時はバリバリのアイドルだったと思うのだけど、
アイドルらしからぬというか、
華々しさとは無縁で虚無感を抱える主人公を
見事に演じられてて驚きました。
主人公はラスト付近で菅原文太さんが言うように
一番殺したい相手は自分だったのだと思う。
プルトニウムを盗む時も、ここで殺されても良いと思って施設に入ったんじゃないだろうか?
原子爆弾を作って、国を脅してみてもこれをやって欲しい
と言う欲求もなく、
菅原文太を相手に選んだのは、
こう言う男になりたかったと言う憧れで、
ラジオパーソナリティにも好意を伝えられない
自分のことが嫌いだったんじゃないかなと思いました。
後半のアクションシーンはいかにも70年代と言う感じで
楽しかったし、沢田研二と菅原文太の対決がこんな風になるとは思いもせずラストまで面白かったです。
あれだけ綿密に計画を練ってたのに、
授業で原子爆弾の作り方を教えてるのは笑いました。
沢田研二のさりげない仕草がイイ。
久々にDVDで鑑賞した感想を述べます。
今更ですが、荒唐無稽な雰囲気は映画の世界としていいですが、プルトニウムを盗む映画の先駆けとして評価されるべき。
カーアクション、中々最近では見られないハード感。文太さんの車の屋根が飛ぶのは本人も驚き顔
池上さんも綺麗ですが、沢田研二さんも綺麗、女装妊婦はちょっとリアル(笑)
沢田研二さんの「演技」、今見ても「芝居」ではなく、役に成り切る姿がいいと感じました。
タイトルなし(ネタバレ)
この映画はプルトニウムさえあれば、それが作れると言う事実を提示してしまった。
作り方は出鱈目でチープ過ぎるけど。
この映画は1979年に封切りで見たが、当時は大学2年。プラプラと映画ばかり見るノンポリティカルなク◯ガキだった。で、その頃は
・1974年 佐藤栄作総理大臣の非核三原則提唱によるノーベル平和賞
・1979年 スリーマイル島原発事故
の年。
・1980年 ポール・マッカートニーさん大麻所持で羽田にて逮捕
・1980年 ジョン・レノンさん暗殺
と言った時代。
この映画の中でやっている事は、今から見れば、タブーたが、日本は安全な国と思って疑わなかった。しかし、
チェルノブイリ事故は1986年
阪神・淡路大震災は1995年
地下鉄サリン事件は1995年
911同時多発テロは2001年
そして
東日本大震災が2011年
になる訳だ。
そしてそして、今年50年目にして日本が再びノーベル平和賞を取るに至った。
本当に本当に、何事もなければ良いと思う。
この類ストーリー展開は、ピンク色の映画とか成人映画にたくさんあった。
無責任に人の死を扱う。まぁ、キャッチーなストーリー展開たが、良い事は何も残らない。寧ろ、この映画を24歳の『松本◯津◯』は見ていたと思う。
当初、僕も見て、少しだけ心が動かされたのを記憶する。今日45年ぶりに見たが『ヘソが茶を沸かす様な話』だと思った。
追記 ちなみに太陽は核融合。
ちなみに核融合も核分裂と同 じくらい危険
フォトジェニック
これはすごいものを観てしまった!
久しぶりにこんな興奮。
人に言いたいが、ある程度映画好きの人じゃないと
まったく分かってもらえない可能性大。
沢田研二主演の他のドラマかなにかと勘違いしていて
一度観たと思っていたが
手を伸ばして良かった!!!!
主演の沢田研二ことジュリーは
70年代のフォトジェニックである。
彼自身グループサウンズからソロになって
いきなりビジュアル系のハシリになったという
ものごっつい展開を見せてくれたひとです。
この映画は彼なくしては魅力半減。
いつも不満と満たされない気分でいっぱい。
誰もわかってくれない。
そういいながら、じゃあなにが不満なのかと尋ねると
「いいよべつに!」。
……そんなの、反抗というよりかただの甘えじゃねーか!
このなんとも言えない感じを一身に体現してくれる存在が
ジュリーこと沢田研二なのである。
いやあ、最高。
ジュリー演じる9号が人生で一番
充実していたのがきっと
原爆をハンドメイドしていた頃だろうというのが
おかしいやらむなしいやら。
だらだら書いておきながら。
つべこべ言わずに観ろ!観てくれ!
損はさせない。
映画ファンのハートを盗んだ男たち‼️
監督作としては「青春の殺人者」と本作の2本しかないという恐ろしい現実をつきつけられた長谷川和彦監督の傑作‼️前代未聞の犯罪者と彼を追いつめる刑事との息詰まる対決を描いた、日本では今後作れないんじゃないかと思われる犯罪エンターテイメント映画です‼️バスジャックや原発の襲撃シーン、坂下門や国会議事堂でのゲリラ撮影、実際のデパートで撮影された群衆のパニックシーンとか、十数台のパトカーとの講堂でのカーチェイスとか、手に汗握る凄まじいシーンの連続で、ほんとよく日本で撮影できたなぁと思います。手製の原爆を手にひとり国家権力と戦う物理教師ジュリーと、ヘリコプターにぶら下がりながら銃を乱射する文太刑事の反骨のストーリーは、荒唐無稽で奇想天外なんだけどホントにカッコいい‼️クライマックスの屋上での両者の激突は今なお語り草になるほど凄まじいし、被爆してしまったジュリーが抜け落ちる髪を愛でるショットなどは切なくてゾッとするけど、どっか色っぽい‼️ローリング・ストーンズの来日が現実になり、ナイター中継の延長が当たり前になった今でも、やっぱり長谷川和彦監督とジュリーと文太はいつまでもヒーローです‼️長谷川監督、新作待ってますよ‼️
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