「夢の中を表現しているような映画」ソナチネ 撃たれる前に撃てさんの映画レビュー(感想・評価)
夢の中を表現しているような映画
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抗争が起きて、拠点は爆破され、仲間はみんな身内に殺される。最期は自分も独りぼっちで自殺する。そんな無機質で殺伐としたシーンが続くが、沖縄の風土とも相まってなぜかどこかふわっとした現実感のない時間の流れで物語は進んでゆく。
隠れ家への長い砂利道はまるで現実と虚構の境目のように何度も描写され、エンディングの寂れた風景は作中の時間経過以上に朽ち果てている。
この作品には主に3種類の登場人物がいて、まずこれが夢の世界だと気づいていない人物(ケンや良二)そして夢を見ないからこの世界に違和感がある人物(片桐)最後に夢と分かった上で楽しもうとする人物(村川)。片桐は夢を見ないからみんなに合わせてかりゆしを着ても村川に似合わないと言われ、ケンを怒鳴りつけてしまう。唯一生き残った良二は最後に急に夢から醒めたから、パニックになり走り出してしまう。村川は夢のまま終わればいいなと思っていたが、仲間がみんな死んで最後現実の中でケジメだけ付けた後強引に夢の世界へ戻っていった。(自殺による現実逃避)もしくは本当に夢では無いのか試してみたかったのかもしれない。
ホテルのエレベーターで探してた高橋に偶然会った時、やはり夢か現実か分からなくなったのではないだろうか。だから声かけに時間がかかった。
幸がマシンガンをぶっ放してる時の村川の表情はいい所で夢から醒めて急に現実に直面したような喪失感と諦めを見るような気がしている。
この映画が自分の人生のベスト映画とはいえないが、残りの人生一作だけしか映画を観られないとしたらこれを選んでしまう魔力がある。
ビートたけしがめちゃくちゃカッコよくてセクシー。
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