「すり替えてくるテクニックはさすがとしか言いようがない」女衒 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
すり替えてくるテクニックはさすがとしか言いようがない
今村昌平監督の実力の程はようくわかった
海外ロケの効果は高い
よくぞものすごい映画を撮ったものだと感嘆した
だがそれだけだ
一体何をいいたいのか
戦前を全否定するための題材を選んで、終盤に軍靴の響きを映像化したかっただけではないのか
それ故に、生理的に拒絶反応を起こさせるように、女性の人身売買を執拗にリアルに描いてみせるのだ
「サンダカン八番娼館」を思いださせ、その嫌悪感をさらに増幅させるためだ
その狙いは主人公を通じて戦前の政治体制と映像的に結びつけて、その嫌悪感を戦前の日本の政治体制へとすり替えることだ
そのテクニックは見事で、さすがとしか言いようがない
手品のように入れ替わっている
手口は「豚と軍艦」、「にっぽん昆虫記」とおなじだ
で、それで?
何がいいたいの?
何がメッセージなの?
戦前の日本をディスりたい
全否定したい
それだけではなかったのか
それだけの映画ではないのか
がっかりだ
今村昌平監督こそ、女性の性を政治利用しているのだ
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