劇場公開日 1961年10月8日

「異色の東宝特撮作品」世界大戦争 四葩さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5異色の東宝特撮作品

2024年10月12日
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鑑賞方法:VOD

昨日ノーベル平和賞を日本の被団協が受賞しましたが。それに合わせて鑑賞しました。高度成長に乗る日本の平凡でも希望に満ちたある家族を中心に核戦争により世界が破滅するまでを描いて作品。

フランキー堺演じる運転手と妻の音羽信子がすごく良かったです。1961年この映画上映の頃は東西冷戦の緊張した時期で翌年にはキューバ危機があったりして核戦争の恐怖が現実味を帯た時代だったのでしょう。

核戦争の犠牲者は戦争と全く関係なく片隅でひっそりと生きている小市民だと教えてくれる作品です。最後まで自宅に踏みとどまり生きる希望を持って明るくちゃぶ台を囲む家族が切ないです。

戦争は無力な一般市民の日常生活と関係ないところで進んで行くのでそれが紛争であれアクシデントであれ武装してしまえば一触即発の状況になります。核はその最大のものなのは日本人ならなおさらですね。救いのない恐ろしい物語ですがなにかズッシリくる作品でした。

四葩