「面白かった」青春の殺人者 古泉智浩さんの映画レビュー(感想・評価)
面白かった
クリックして本文を読む
大昔にレンタルビデオで見ていつかスクリーンで見たいと思っていてようやくシネウィンドの『原田美枝子』特集で見れた。
水谷豊が父親を刺殺して服や手が血だらけになっていて、早く洗って欲しいと思っていたのだが、その後、死体を風呂場に運んだり、母親と殺し合いになる際にもっと血だらけになるから全然その必要がなかった。
市原悦子が舞台劇みたいにすごいセリフ量で、また感情が目まぐるしく変化して、あげくに何度刺しても痛がるばかりでなかなか死なないのがすごく恐ろしかった。
また、水谷豊が包丁でリストカットする際、血が出るものの「こんなんじゃ死なねえ、いてえだけだよ~」と叫ぶところなど、悲惨なのに、変にリアルでどこかおかしい感じがした。
原田美枝子のくったくのない笑顔が素晴らしくキュートだった。レイプみたいなセックスばかりしていて可哀想だった。もっと大事にしてあげて欲しい。
以前に見た時に、道路を検問している機動隊に「親を殺した」と自首するのに全然相手にされないところは強く印象に残っていて、やっぱりすごく面白い場面だった。
お父さんが、戦争経験者だったり、学生運動や成田闘争が賑やかであったりする一方で、海水浴で気楽に遊んだりする若者の様子も描かれ、時代背景が自然に感じられた。
コメントする