「音楽も良く映像も前衛的だったが、主演女優の好みのせいか自分にはかなり退屈であった」砂の上の植物群 Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
音楽も良く映像も前衛的だったが、主演女優の好みのせいか自分にはかなり退屈であった
中平康 監督による1964年製作(95分)の日本映画。原題:Jungle Interlude、配給:日活。
昔、吉行淳之介の小説にハマっていた時も有るので、原作は読んでいる。
黛敏郎による音楽は随分とカッコ良い感じで、映像も前衛的な感じであったが、あまり面白くはなかった。SM的性愛が随分と強調されていたのが古臭くて今一つであるし、ヒロイン姉妹(稲野和子と西尾美枝子)が自分の好みでないというのが大きいか。
本当のテーマは、妻と父との肉体関係を怪しんでいる,或いは自分が知らない妹がいるらしいと、息子の父親との葛藤・克服かと思うのだが、必ずしも上手く浮き彫りにされていなかった気がする。それよりも目立っていたのは、稲野和子が妹かもしれない情報入手後の近親相関的背徳感か。そして、姉妹同室共存下でのSM的セックス。まあ絶世の美女姉妹なら別かもしれないが、自分にはかなり退屈な映画であった。
「月曜日のユカ」(1964年製作)を見て、その瑞々しさやお洒落感が大いに気にいった中平康監督の作品ということで期待が大きいこともあったかもしれないが、自分にはあまり合わなかった。
監督中平康、脚色池田一朗、 加藤彰 、中平康、原作吉行淳之介、企画坂上静翁、撮影山崎善弘、美術大鶴泰弘、音楽黛敏郎、録音橋本文雄、照明高島正博、編集辻井正則、スチル斎藤耕一。
出演
仲谷昇伊木一郎、島崎雪子伊木江美子、稲野和子津上京子、西尾三枝子津上明子、
信欣三山田理髪師、小池朝雄井村誠一、高橋昌也花田光太郎、福田公子木暮保子、岸輝子女将、須田喜久代たおれる女、雨宮節子たおれる女の妹、浜口竜哉バーテン、藤野宏タワーの男、有田双美子タワーの女、葵真木子エレベーターガール、小柴隆警官、谷川玲子猫の女。