劇場公開日 1956年7月31日

「好きになれる作品」洲崎パラダイス 赤信号 KIDOLOHKENさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 好きになれる作品

2015年2月2日
PCから投稿

そこへ行ったらおしまいだ・・ってところに行かないように踏みとどまろうとする男と女。しかし 踏みとどまれそうにない危うい二人。私はこの映画の終わり方がとっても好きです。 ファンタジーなのです。
川島雄三
は幕末太陽傳が絶大な人気を誇っていますが、私はあまり好きじゃないのです。あの映画の主人公は非常に恵まれた記憶力をもっているからです。そんなものを持って生まれていたら、どこでも器用に生きられるよ・・・って頭にきました。なんだか、脚本家や監督が記憶力のいいのを自慢しているように思ったのです。一般庶民を描きながら一般庶民を見下してねぇか?・・っね。
その点、この作品はまさに一般庶民。一般庶民が貧乏なところで固定化しちゃってそれほど優れた能力も持たず。お互いに依存しあったりグダグダしながら、幸せを求めてもがいたり。実はそんなにもがいてなかったり。
成瀬巳喜男の「浮雲」
とテーマのかぶるところがありますが、私はこちらのほうが好きです。そして、川島雄三作品でこれが一番好きです。

KIDOLOHKEN
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