「橋の向こうとこちら側」洲崎パラダイス 赤信号 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
橋の向こうとこちら側
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Amazon Prime Videoで鑑賞。
どうしようもない男女ふたり。行き場を無くして洲崎パラダイスと云う繁華街へ繋がる橋の袂へ流れ着きました。橋の向こう側には遊郭もあって、一度足を踏み入れると堅気じゃなくなってしまう異空間のようで…。まるであの世とこの世の境目みたいな、洲崎パラダイスの入口に架かる橋の側に佇む小さな酒場を舞台に、男女の彷徨を描いた川島雄三監督の名作。
三橋達也演じる義治は働こうともせず完全なヒモ状態。女に食わせてもらってるくせに、商売で他の男の相手をしていると妬いてしまう狭い度量の持ち主と云う情けなさ…
新珠三千代演じる蔦枝は、そんな甲斐性無しの男でも、見捨てるに見捨てられないのでした。歯痒いくらいの愛がそこにはあって、ズブズブと関係を続けていました。
ふたりが世話になった酒場の女将も、自分と子供たちを置いて女と逃げた亭主に対して、半ば愛想を尽かしながらも、それでもまだ愛していて、帰って来るのを待っている…
互いに必要としていて離れることが出来ない。振り切っても結局未練たらたらで磁石みたいに引き合って元通り。それが愛のどうしようもない正体かもしれないなと思いました。
※修正(2023/01/22)
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