死んでもいい(1992)のレビュー・感想・評価
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雨の日に起こること。
HDリマスター版上映にて鑑賞。
永瀬正敏の若く真っ直ぐで危なっかしい瑞々しさ。
普段は悪役が多い室田日出男の無骨な一途な愛の哀しさ。
そして
小悪魔なんて単純な言葉では済まされない大竹しのぶの妖しく儚げな美しさ。
登場人物はほぼこの3人で、
こんなにも余韻が消えない映画なんて。
出会いからして、雨がとても印象的。
こんなムンっとむせ返るような、
湿度の高い邦画、
最近少ない気がする。
二人の男の間で抑えがたい愛憎の感情がほとばしる名美を当時すでに国民的女優の大竹しのぶ氏が大胆な濡れ場も辞さずに挑戦。
2022年5月に逝去された映像作家・石井隆氏の没後3年に合わせた初期傑作『死んでもいい』(1992)、『ヌードの夜』(1993)、『夜がまた来る』(1994)、『天使のはらわた 赤い閃光』(1994)の4作品がシネマート新宿さんと池袋HUMAXシネマさんにて25年6月6日(金)から上映中。
『死んでもいい』(1992年117分)
原作は『丑三つの村』(1983)、『薄化粧』(1985)、『犬死にせしもの』(1986)も映画化された西村望氏の1980年に発表された『火の蛾』。紆余曲折ありながら構想から10年、石井隆監督が映画化。
東京から山梨に流れ着いた青年・信(演:永瀬正敏氏)が大月駅でぶつかった不動産屋の人妻・名美(演:大竹しのぶ氏)に一目惚れ、半ば強引に不動産屋の就職を直訴、名美よりも一回り年上の夫であり経営者の土屋(演:室田日出男氏)にも気に入られ社員として採用される。
信は土砂降りの豪雨のなか、モデルルームで名美を待ち伏せて手込めに。
最初は信を拒んでいた名美も徐々に彼を受け入れていくが、二人の関係が土屋に発覚。
信はクビを告げられ、別の土地で働いていたが、そこに名美が居場所を探し出す。
土屋に生命保険がかけられていること名美から伝えられた信は土屋の殺害を計画する…。
二人の男の間で抑えがたい愛憎の感情がほとばしる名美を当時すでに国民的女優の大竹しのぶ氏が大胆な濡れ場も辞さずに挑戦。
TVドラマで見せるしっかり者で明るいキャラクターとは真逆の男たちを魅了する魔性の演技は実に貴重。
信役はジム・ジャームッシュ監督『ミステリー・トレイン』(1989)で国際的スターとして頭角を現した永瀬正敏氏が名美に出会ったことで破滅への道をひた走る若者を熱量高く好演。
特にラストのホテルでの浴室シーンは10分近くのワンシーンワンカットは秀逸。
途中に地震が発生する演出や、亡骸となった室田日出男氏は呼吸を止めてピクリともせず横たわっているのは流石、見事です。
図々しい
「物語よし!」&「映像よし!」の傑作
1992年の石井隆監督作🎥
石井隆監督と言えば、学生時代にあちこちの名画座で観た「天使のはらわたシリーズ」の「名美」が出て来るが、本作も大竹しのぶ演じる女性は「名美」。
ただ、本作は日活「天使のはらわたシリーズ」ほどヌードを前面に出しておらず、大竹しのぶもヌード見せる体当たりの演技だが、「男女の愛」をメインに描いた感じ。
冒頭の「運命の男女(永瀬と大竹しのぶ)」が出会うスローモーション場面から素晴らしく、全編にわたって美しいシーンの連続。また、長回しの多用によって、役者の動きが途切れないのも良い!
物語も「一寸先は闇」のような展開が続くので、気を抜くことなく、眼は映像に釘付け😳
美しい女性(大竹しのぶ)に一目惚れした男(永瀬正敏)、彼女は不動産屋で働いているがその不動産屋の社長(室田日出男)が亭主だと知る。
売りに出している不動産物件で、永瀬正敏は彼を探しに来た大竹しのぶの身体を奪うが、大竹しのぶは永瀬に惹かれ、愛し合うようになる。
二人の仲は室田にもバレるのだが、永瀬は室田を殺すことを考え……とスリリングな展開😱⚡
「物語よし!」&「映像よし!」の傑作‼️✨
<映倫No.113809>
映画的何かが漲る怪作。
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