新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君にのレビュー・感想・評価
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後半、今観てもよく分からない
リバイバル上映の月1エヴァ第二弾、映画館で本作を観るのは公開当時以来です。
前半は、熱く燃えるシーンが満載で、ここまでは観たかったエヴァンゲリオンでした。
後半の展開は、今観てもよく分かりません。
巨大な白い綾波、綾波と分身して少しだけ復活するカヲルくん、地上から空に浮かび上がるジオフロント、女性器をかたどった瞳に包まれた目玉に突き刺さる初号機。
公開当時から必死に考察本等を読みあさりましたが、映画の中の描写だけでは、その映像が示す行動の大半が理解できず、今回の鑑賞中も必死に意味を模索しましたが、今回、改めて映像だけで読み取ろうとしても、やはり未だに分からずじまいです。
公開当時の私にとって救いだったのは、ゲンドウの父親らしからぬ冷たさは、シンジを嫌っての事ではなかった事。そうだったのか・・・と少ししんみりした直後、初号機がゲンドウを食ってしまう。うそ!と当時はビックリしましたが、今でも少し引いてしまいます。父が憎くて殺したのか、精神を取り込んだという表現なのか、何のためにそうなったのか。
途中、実写映像の観客席と鏡あわせのようにしてこちらに問いかける「気持ちいいの?」の字幕。ちょっと不快な使われ方でしょうが、今となっては、あの客席の人たちにとって良い記念になったのではないでしょうか。
できればテレビアニメ26話分を見直してから見たい作品
映画館では今回が初鑑賞。
できる限り、テレビアニメ26話分を見直してから本作品を見た方が良いと思いました。とはいえ、上映期間が非常に短いので、本作を映画館で見るのを優先して、テレビアニメ版を見返すきっかけにするのが現実的かもしれませんが。
エヴァンゲリオンシリーズ(とひとくくりに呼んでいいのか自信ありませんが)をある程度でも好きな方向けの作品です。作品名くらいしか知らないが、この機会にちょっと見てみようかの方々には向かない内容と思います。見ようかどうしようか迷っている方は、そのつもりでご検討ください。
上映期間や上映場所で迷っているのではなく、内容がどうかで迷っている方には、無理して見ることはおすすめしません。
ただ、今回冒頭に追加された緒方さん(主人公のシンジ役の声優さん)の音声コメントだけは、配信版やディスク版では見られないはずなので、そこが気になる方は上映終了前に見ておいてください。
他者への「恐怖」の行く末
1997年の夏に公開された2作品が、奇しくも同じタイミングでスクリーンに蘇ったということで、当時生まれさえしていなかった私はもののけ姫と同日にこの作品を鑑賞した。
映画館での鑑賞は実は2回目である。1回目は感受性豊かな高校生のときで、「終劇」の2文字が出てからしばらく動けなくなってしまった体験を鮮明に覚えている。
生々しく描かれる生と性、他者と触れ合うことによってできる心の傷の見せ合い、甘き死よ来たれをバックに流れる鮮烈なフラッシュカット…人間が持てる最大限の負の感情をこれでもかと劇場という逃げ場のない密室で突きつけられ、脳に刻まれる。
人間誰しもが内に持っている、他人への恐怖。でもその恐怖が他者を他者として認識し、その他者と歩んでいく為の礎となっているのも事実である。
あの時と同じく、上映後呆然となり、しばらく動けなくなった。あの思春期から感受性はちっとも変わっていなかったようだ。感情を暴力として行使されるとこうなってしまうのだろうか。でも、この強烈な感覚も、命をかけて作品を作ってくれた「他者」がいるからこそ味わえる。人類補完計画が失敗してくれて、良かった。
圧倒的熱量
やっぱ変
月1エヴァの2回目。
上映前に関係者の挨拶があり、今回は声優の緒方恵美さん。
当時のこと、感じていたことを話していて、それはそれでいいのだが、なぜか終始笑いながら話すという。
なにこれ?
非常に不愉快でしかなかった。ファン相手にならそれでも構わないのだろうが、映画館はファンだけが観に来るわけではない。私のように、エヴァに対して思い入れのない人間もいるわけで。そんなことで、心象最悪。
映画は、ねえ。
やっぱり、監督の精神状態が不安定だったとしか思えない。
当時では、こういう決着の付け方しか、なかったのかなあ、と。
ファンでもない自分では、こういう見方しかできませんでした。
ただ、ここから新劇場版に持っていけたのは、すごいなあ、と。
絶叫 混沌 錯綜
全滅かぁ
記憶よりもっとエンタメだった
28年ぶりに、『月1エヴァ EVANGELION 30th MOVIE Fest.2025-2026』の再映で拝見。
記憶よりもっとしっかり、エンタメしていて。
外連(けれん)でいろいろ思わせぶりな小難しい用語のコーティングがしてありましたが、それらを除いて見ればナイーブで人と触れ合うのが怖い少年の成長譚と、大人になれない少年を無理やり脅迫してでも外に連れ出そうとする理不尽で大人になり切れなかった大人たちとの葛藤譚。
「自分の中に引きこもってないで、周りとつながって、現実世界で生きていこうよ」という普遍的なメッセージが込められていたように思えました。
あの頃、サブカル誌やBBSを中心に盛り上がってた考証・解釈してた人たちが、滑稽に思えるくらい、普通にエンタメ。
何しろ、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』(2021年)という、回答、兼完結編を観てますから、落ち着いて観られたのも大きかった。
30年間、ずっと同じテーマで作り続けていたんだな、と再確認もできましたし。
あと、なにより観てるこちらが大人になったということなのかも。
結構楽しめて、初見の時のように、怒りませんでしたよ。
ラストのアスカは残酷であんまりだな、とは再度思ったけれども。
甘えん坊で引きこもりなオタクおぼっちゃんは、頭の中とはいえ穢された側の女の子からすれば、気持ち悪いと言われても仕方ないか。
劇場に多く見かけた20代位の若い人たちが、今これを見てどう思ったのかが気になりました。
特にこれ、テレビシリーズ全部を履修してないとわからない作品なんで、今よく観たなと驚きました。
新世紀エヴァンゲリオン劇場版Airまごころを君に
28年間予習と復習を続けてきたけど、やっぱり難解なのには変わりない。でも、そこに痺れる憧れる~
作品、キャラクターの死と再生
初日劇場鑑賞は男の戰い!気持ち悪い…?
大人になるということ
リバイバルということで、初めての劇場鑑賞。
ビデオでTVシリーズを観て、旧劇を観て
14歳で新劇の序を観た世代です。
改めて名作であるという認識。
個人的にエヴァンゲリオンという作品は自己の確立がテーマだと感じている。
新劇であれ、旧劇やTVシリーズであれそれは変わらない。
新劇と旧劇やTVシリーズの違いは自己の確立度合いの違いだろう。
大人と大人への入り口の違い。
それを考えると主人公の14歳という年齢設定は素晴らしいと思いつつ
シリーズ通しての主人公の葛藤は、ある程度人間として共通なのだと感動もする。(個人的には、主人公とは碇シンジであり、庵野秀明であると思っている)
自覚したくない、人間の醜い部分を映像化した作品。だから気持ち悪い。
エヴァンゲリオンという作品において
"自身の考え方で世界の見方は変わる。が、それはそれぞれの人間がそれぞれの世界の見方があるということ。それぞれの見方があるからこそ自己が作られる"
というのが中心にあると考えているが、物語としての映像化に寄せたものが本作だろう
主人公の世界観の中に存在する他者、しかしながらそれは主人公の見方の中で分かる、想像できる範囲内の他者であり、作中後半では他者はそれだけではないという現実が突きつけられる。
そんな作品の中で異質な個を放つのがアスカである。
主人公においてアスカの反応の解像度だけが異様に高いのである。
だからこそそれは主人公と世界との繋がりを示し、異性への目覚めを暗示している。これほど美しく醜い表現を私は知らない。
まごころを君にでは、戦自との戦闘のシーンの描き方や実写シーンなどその奥底にジブリの系譜を感じることもできる。
これは庵野秀明の様々な思いが形となっているような気がしてならない。
結構な信者であると自負している私だが
エヴァンゲリオンに関してストーリーの整合性や意味合いを論じるのはナンセンスだと感じている。
私の中ではこの作品におけるストーリーは観覧しやすくするためのスパイスにすぎないからである。
社会現象の渦中で『なんかキモい』と言われながら
当時エヴァはまさに社会現象でした。1990年代の日本は世紀末オカルトブームの真っ只中であり、エヴァの持つオカルト・内面世界の要素はクリエイターの意図を超えて反響を呼んでいたと思います。その結果、エヴァは難解で意味深な作品であるというパブリックイメージが醸成され、道行く小学生達から「あんなアニメにのめり込む奴はおかしい」「なんかキモいよね」という声が日常風景として聞こえてくる程でした。インターネットの普及期だったこともエヴァのハイテク・近未来描写に説得力を与えていたかも知れません
小学生~中学生だったあの頃の私は「あんな作品にのめり込む、なんかキモいやつ」でしたが、いわゆる考察とは無縁のまま、単純にロボットアニメとしてエヴァを楽しんでいました。中途半端な立ち位置で肩身が狭かったことを覚えています。そして本作(通称:旧劇場版)に関しては、「面白い。圧倒される。でも意味がわからないし怖い」という感想を抱いていました
大人になって改めて旧劇を観ると、「シン~」と物語の骨子に大きな違いはないことが理解出来ます。シンジ、ゲンドウ、ユイ(綾波)の核家族におけるエディプス・コンプレックスのストーリーが決着し、主人公がヒロインと出会って終わるのです。テレビ版で各キャラクターが抱えた課題はほぼ同一ですから、終末世界をテーマにしたものが旧、終わりそこねた世界(つまり我々が今生きている日常です)をテーマに視野を広げたものがシンであるという認識で良いでしょう
旧劇はわかりにくい作品です。終末論的な映像がひたすら続き、観客の中で情動と意味のリンクが中々成立しません。破滅のスペクタクルや宗教用語による衒学的な側面と、家族の物語として終着点を示そうとする監督の誠実性がそれぞれ矛盾したメッセージを発しているのです。それは加熱する一方だった観客の期待に対し、監督がどう応えるか苦心した結果の産物なのでしょう。家族の物語としてよりストレートな表現を選んだシンが存在することで、今ではその二面性の整理が容易になったと言えるのではないでしょうか
夢から醒めてみれば
『シン・ゴジラ』抜きにはエヴァは語れないのかもしれません。
一応の完結を迎えたのがこの作品で、圧倒的なヴィジュアルは映画館の大スクリーンに映えていました。それにしても公開の手順が非常にトリッキーで、まずは総集編と、完結編の途中までという形で劇場版をやり、それにはDEATH&REBIRTHという2部形式のタイトルをつけ、まるで『伝説巨神イデオン』の劇場版を彷彿とさせる公開形式をとりました。
その、いよいよ完結編として公開されたのが本作。そして非常に残念な結末を迎えたのでした。それは、観念的な収束に過ぎず、人類がどうなったかなどの重要なポイントは描かれないまま、それぞれのキャラクターがフレームから消えていきます。
ある意味、テレビ版とは違う結末が描かれており、これが物語の帰結と言えなくもありませんが、その後コミック版が独自の結末を迎え、さらには劇場版の新シリーズも立ち上がるという、物語としては全く収拾つかない状態に。さすがに、追いかける気にもなれず、ひところの熱病が嘘のように冷めた状態になりました。ところが、『シン・ゴジラ』で、庵野秀明氏が復活なさって、がぜん注目を浴びる展開になりつつあります。
とにかく、この映画一本単体として見れば、非常に不完全で、なにが言いたいのかまったく理解できない内容になっています。ただ、異常にテンションが高く、漂う緊張感だけは、アニメ史上例を見ないものだったといってもいいのではないかと思います。
視覚的にも感情的にも気持ち悪い
 エヴァンゲリオンに関しては、TVシリーズ、旧劇場版、新劇場版を鑑賞済みです。漫画版は未読です。前述のとおりこの作品もすでに何度か見ていますが、久しぶりに見返したので、いまさらながら感想を書かせていただきます。
 個人的にこの作品の見どころは2つだと思っています。1つ目は作画、2つ目は気持ち悪さです。
 1つ目の作画ですが、やはり注目すべきは「Air」の中のエヴァ2号機がゼーレの用意したエヴァシリーズとの戦闘シーンです。
 ここ最近のアニメは作画のスピード感とエフェクトが重視されているように感じます。(画面の中の情報量の多さが重視されているというか…?)この作品では、それらよりも重さや慣性といった、より特撮的というか現実的な動きで作画されていると思います。2号機が食い散らかされるシーンはまさにリアルで視覚的に気持ち悪さがあります。
 話は脱線しますが、TVシリーズの第19話「男の戦い」の初号機が覚醒するシーンはカット割りを含めて、まさにリアルな作画を代表するシーンだと思っています。
 2つ目の気持ち悪さについては、1つ目の作画も関係していますが、脚本、演出、作画で表現されていると思います。
 個人的にシンジ君のウジウジ感は割と好き(というか割と納得はできる)のですが、どう考えているのかをしっかりと吐露させています。この考え自体は決して耳心地のよいものではなく、また鬱屈しているけれど、人が持つ根源的な感情であるようにも私は感じますが、日常であればわざわざ人につまびらかにしない感情をここまで吐露させました。人によってはこのシンジ君の考え方自体が気持ち悪いと思うだろうな、と思います。
 また、初っ端からシンジ君の自慰シーンや、途中でミサトさんの性描写シーンもあり、そこに嫌悪感を覚える人も多いだろうな、とも思います。こういったシーンが散りばめられていることや、アニメという虚構でそれらを描く、という気持ち悪さにも繋がっていると思います。(これらの「気持ち悪い」をしっかりと担保しているのが、リアルな作画という部分でもあると思います。)
 正直、映画自体が独りよがり感が強いなと思いますし、気持ち悪い感情に自分でも分かっているんですよと言い訳している(ミサトやアスカに言わせている)ように見える、その描写自体にも気持ち悪いと感じることもあるかと思います。
 何度か見ていますし、解説動画も過去に見たことがありますが、宗教的な専門用語とかは未だに全然わかりません笑。
 ですが、そういったものを置いておいて、画面からあふれ出る感情やそれに伴う気持ち悪さ、というものが表現されていると思いますし、綺麗に取り繕うことなく、気持ち悪いものを気持ち悪いままで表現したこの作品は、自分としてはとても貴重な作品だと思います。
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