「昭和調だが、模倣の弱さが露見」我が人生最悪の時 ビン棒さんの映画レビュー(感想・評価)
昭和調だが、模倣の弱さが露見
悪くはないんだが、昭和映画の模倣に甘んじているように思える。
まず、なぜあえて白黒映画としたのか。
昭和=白黒と考えるのは安直すぎる。
白黒映画が製作されるのは1960年代まで。
とすれば、探偵などの仕事も無いし、もちろん自動車も限定的。
黒澤が白黒で作っていたのとは、全く意味が違う。
(もちろん様々な点がカラーに対応しきれていなかった点が大きいとは思う。)
昭和の雰囲気を出すための、安易なアラ隠しになってはいないか。
古さを出すためのモノクロだとしたら、それは「手抜き」にしか思えない。
ストーリーもよく解らない。
台湾のマフィアが絡んでいるのは分かる。
しかし、日本に乗り込む口実を作るだの、裏切ってどうのだの、
逆に台湾に乗り込むだの、論理が全く解らない。
さらには主人公の過去の設定、台湾から来たヒットマンとの友情なども
物語の進行に都合よく作られた薄っぺらいモノにしか見えない。
テレビの番組なら、こういう点は積み上げられたのだろうが、
そういうモノを模倣するだけでは、ストーリーの深さは出せないと思う。
完結してないところも戴けない。
更にもう一つ
昭和のドラマで良く見かけた「足のケガ」を根性で乗り切る展開には嫌悪感さえ感じる。
即〇の可能性は少ないだろうが、止血しないと確実に失血〇する。
指を落としてあれほど騒ぐ脚本なのに、脚本家はバカなのだろうか。
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