「死のうと思えば生き、生きようと思えば死す。」十三人の刺客(1963) しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
死のうと思えば生き、生きようと思えば死す。
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"東映集団抗争時代劇路線" の一編。
Amazon Prime Video(東映オンデマンド)で鑑賞。
リメイク版(2010年)は鑑賞済みです。
勧善懲悪ばかりの時代劇に新風を吹き込んだ集団時代劇路線の名作。感情を極力排して描かれた組織同士の抗争がダイナミックで、敢えてのモノクロがリアリティーを醸し出す。
竹馬の友が敵同士となって展開する頭脳戦に権力闘争の悲しさが凝縮されており、武士道を懸けた勝負に手に汗握りつつ、人の運命について思いを馳せずにいられませんでした。
ご政道を正すためとは言え、幕府にとって新左衛門たちは捨て駒に過ぎない。半兵衛も残虐非道の殿様に呆れながら、立場上決死の覚悟で守り抜こうとする。なんと云う残酷な運命…
クライマックス、13人対53人の死闘が素晴らしい。リメイク版に劣らぬ壮絶な時間でした。手持ちカメラで人物の動きを追うなどしてアクションの迫力を際立たせる工夫がされていたし、手練れであっても形振り構わず敵に向かうと云う演出は従来のチャンバラとは一線を画しており、戦の絶えた平和の世に斬り合うことのリアルを突き付けて来るようでした。
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