「世の中バツだらけ」十九歳の地図 万年 東一さんの映画レビュー(感想・評価)
世の中バツだらけ
手の込んだ陰湿なストレス発散、解消法が生き甲斐のように、暴走族の素人が素朴に思える雰囲気を醸し出しながら垣間見れる狂気性を炸裂させる一歩手前、下手な演技でも演じていなくてもメチャクチャな存在感が魅力的な本間優二、関わりたくない面倒な臭気をプンプンに漂わせながら憎めない蟹江敬三がプロの役者として作品を成立させているような。
新聞配達の過酷さが伝わってくる、まるで日本のスラム街のように人々が当たり前に生活している底辺の沼から抜け出せない麻痺した感覚が、それを象徴しているマリアの痛々しい行動全てに恐怖を感じてしまう。
事は起こさずにこのまま鬱屈した気持ちを抱えながら普通に結婚したりして生活する吉岡を想像すると尚更に怖さが増してくる。
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