「大林宣彦監督作品のなかでもあまり知られていない作品で、いまではすっかり埋もれて忘れ去られた映画です」姉妹坂 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
大林宣彦監督作品のなかでもあまり知られていない作品で、いまではすっかり埋もれて忘れ去られた映画です
姉妹坂
1985年12月公開東宝
大林宣彦監督作品
同年4月公開のさびしんぼうの次の作品になります
但し長らくDVD 化されていませんでした大林宣彦監督の死後になってようやくブルーレイのみ発売されています、
また最近、配信もされるようなっていることに気がついて驚きました
なので、大林宣彦監督作品のなかでもあまり知られていない作品で、いまではすっかり埋もれて忘れ去られた映画になっていました
その理由は観れば察していただけるかとおもいます
大林宣彦監督の他の作品とは同列に語れる作品ではないからだと思います
京都の光景、美人揃いの女優陣を撮っていても、尾道が舞台の諸作品と違って
大林宣彦監督らしさはところどころに散見されるものの監督自身あまり気が乗っていないというのがありありとしているからです
施設の子供たちに対して、心無い蔑視の台詞があることも関係していたのかも知れません
少女漫画が原作です
10代向け少女雑誌プチセブンで1979年から6年間連載され、それが終了するタイミングでの公開でした
京都、四姉妹とくれば、谷崎潤一郎の細雪を思い出します
(厳密には大阪)
そちらは1983年の市川崑監督作品も有名です
そちらは出演者佐久間良子、吉永小百合、古手川祐子の出演で、本作の方は、紺野美沙子、浅野温子
沢口靖子 富田靖子、ですから失礼ながら細雪の世代の娘世代版みたいなものです
それまでの大林宣彦監督作品の常連の尾美としのりさんも出演されています
さらにそこにびしんぼうの富田靖子さんも出演されているのですが、あくまで主演は沢口靖子さんです
なにしろこの前年の初代東宝シンデレラグランプリなのですから
彼女の演技は頑張っている方と思います
紺野美沙子さんは東京生まれながらきちんと京都人に見えます
冨田さんはまあなんとか
でも浅野温子は京都弁を話していても全く京都人には見えもしません、それをあえて起用したのは血のつながりがない四姉妹という設定が優先されたということのようです
物語は細雪とは全く別物で、時代設定も細雪は戦前なのに対して、本作は40年ほど後の現代のお話になります
今年2025年は本作公開からちょうど40年です
そろそろ新しい京都の四姉妹の映画が観たいものです
もし実現したら一体どんな女優が四姉妹になるのでしょうか?
どんな物語になるのでしょうか?
40年昔、1985年の京都が写っています
太秦を走る今はもう影も形もない京都の市電
同志社大今出川キャンパス
蹴上のトンネル、インクライン
祇園白川の巽橋
山陰線の保津川狭
京都センチュリーホテル
何もかも変わったようで何も変わっていません
四姉妹の住居兼店舗の小径は今も哲学の道沿いに実際にある店舗がモデルだそうですが、実はそのお店の西の窓から五重塔は見えません