座頭市あばれ凧のレビュー・感想・評価
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花火職人
いきなり俯瞰図。うるさいハエ2匹を座頭市がスパッと居合で斬って見せると、命を狙っていた渡世人たちは度肝を抜く。狙ってるのは一人じゃない。鉄砲で狙われたのだ。川に落ちて死にかけたところを助けたのが花火師と鰍沢の文吉の娘であるお国だった。
鰍沢の文吉(香川良介)と対立しているヤクザが川向うの竹屋の安五郎(遠藤辰夫)。川渡しの利権を狙っていたのだ。様子を見に行った座頭市の仕草が笑わせてくれる。なんともらった飯を部屋中にまき散らしたシーンだ。
文吉の2代目である息子は清六(江田島隆)。彼こそが市を鉄砲で狙った男。庶民に迷惑をかけるなど、ヤクザにあるまじき行為で勘当同然で家を飛び出していたのだ。その清六が安五郎に喧嘩をふっかけたと言いがかりをつけてきた。そして、文吉側に座頭市が草鞋を脱いだと知った竹屋側は座頭市が兇状持ちであると文吉に伝え、市を追い出させる作戦に出たのだ。
心ならずも座頭市に出て行ってもらうこととなったシーンは寂しく、泣けてくるほど。そして直後に出入りが始まる。呆気なく鰍沢は皆殺し。今度の座頭市は完全に復讐劇。花火が上がる中、独り戦う市だった・・・
俯瞰図での殺陣、水中での殺陣、と風変わりなシーン。それと、市自ら敵方に乗り込んで戦うなど、珍しいものが多い。何と言っても笑わせてくれるシーンも多かった。残念なことに、庶民派で優しいヤクザの文吉が殺されるシーンで泣けるようにしてくれるか、娘たちの悲しみも強調してほしかった。それに鉄砲で撃った本人の清六にも気遣った座頭市だが、清六がどうなったのかわからないし・・・かなり尻切れトンボ。
あばれ花火
シリーズ7作目。1964年の作品。
道中鉄砲で撃たれた市。誰かに助けられ、その命の恩人を追って鰍沢へ。
鰍沢では博徒の津向の文吉が毎年花火で町人を賑わせており、彼の姉娘のお国こそ市の命を救った恩人であった。市はご厄介になる。
文吉はやくざの竹居の安五郎(吃安)と対立中。吃安は悪代官と組み、何かと嫌がらせをしてくる。
そんな時、やくざ者となっていた文吉の弟・清六が帰って来る。清六こそ、市を撃った人物であった。
清六や市の事を知った吃安は、文吉に罠を掛ける…。
歴史に疎い私。特にこういう股旅もの。
てっきり架空の人物かと思ったら、文吉も吃安も実在の人物と知って、びっくり!
対立も実際にしていたようで、そこに市を絡め、そう考えるとなかなか巧みに面白い。
柔和な文吉もいいが、吃安役の遠藤辰雄の憎たらしさ!
その吃安、まずは清六を誘拐するが、市に救出される。
次に、市は凶状持ち(前科者)と言い触らす。
文吉は断腸の思いで市に出てって貰う。この時のやり取りが印象的。
市が居なくなった所を、吃安が一味を大挙率いて襲撃。
再び旅を続ける市。楽しみにしていた花火を背にしながら…。
突然、花火が上がらなくなった。不審に感じ、戻ると…
市も吃安もハンデを背負った人物。
が、人となりはまるで違う。
劇中で市は吃安に言い放つ。「やくざの風上にも置けねぇ」
今回の居合の見せ場は水中シーンもユニークだが、やはり怒涛のクライマックス!
美しい花火が上がるその下で、怒りに満ちた市が吃安一家を叩っ斬る!
その形相、あばれ花火!
余談その1
凧は…?
余談その2
初見かと思ったら、その昔一度見てた事に途中で気付いた…。
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