劇場公開日 1963年8月10日

「こんな最後を見たくなかった」座頭市兇状旅 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0こんな最後を見たくなかった

2021年2月19日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

単純

興奮

シリーズ4作目。1963年の作品。

夏の上州。突然襲い掛かってきた男をやむなく斬ってしまった市。市の首に懸賞金が懸けられている事、下仁田に母親が居る事を言い残して絶命する。市は詫びる為に下仁田へ。
下仁田の町は祭りと土地の二代目襲名で忙しかった。
彼の恋人の養父は先代と因縁あり、浪人と組んで妨害をしてくる…。

しのぎを削る二大やくざ。
ヒロイン。
市vsライバル。
作品や市のキャラにも軽妙さが表され、本作から完全パターン化した感が。
しかし本作には、特筆要素が。

市は下仁田で懐かしい人と再会する。
おたね。
第1作目のヒロイン。両想いになった“想い人”。
幸せに暮らしている…かと思いきや、
浪人の女に。
決して幸せには見えない。なのに、この男から離れられない。
浪人・蛾十郎もふてぶてしく、女共々自らも不幸にする。
1~3作までの敵キャラは悪代官的であったり、何処か共感出来るキャラであったが、こんなに憎々しい悪役は初めて。

「市さんにこんな姿を見られたくなかった」
これは本音だろう。
あの美しいおたねさんが一体、どうして…? 何が…?
そして最後は…。
我々もこんな最後は見たくなかった。
ある意味、ショッキングであった。

近大