札幌・横浜・名古屋・雄琴・博多 トルコ渡り鳥のレビュー・感想・評価

　大好きな芹明香の主演作ということで、DVDを買ってみたのだけど、非常にゆるい。トルコ風呂の遊び方ガイドのようなハウツーコーナーもある。トルコ嬢とヒモが旅をして各地を巡り、ささやかなドラマがある。芹明香が放尿する場面が2回あって印象深い。ヒモはヒモでクズなのだが、クズなりにチャーミングなところがあって憎めない。最底辺の行き場のない若い男女がグズグズしているだけと言っても過言ではないのだけど、微笑ましい。スバル360が元気に走っているところが見られる。あんな小さなかわいい車で日本中を回ったらさぞ苦しくも楽しいだろうと思うが、すぐに坂道で止まる。

’75年作品、当時の風景描写がまずたまらない。国鉄車内のお茶・冷凍みかん・食堂車、 タクシー初乗り190円、酒田の町並、…。隔世の感アリアリ。 男と女の非合理的な関係性、ヒモに語らせる言葉たち。 青森・東通出身、という設定にほぉ〜っ…と。 ラストシーンの自由さ含め、イイもの観せてもらいました。