「溝口監督の執念‼️」西鶴一代女 活動写真愛好家さんの映画レビュー(感想・評価)
溝口監督の執念‼️
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溝口健二監督のその長い映画人生における傑作たち、「滝の白糸」「祇園の姉妹」「浪華悲歌」「愛怨峡」「残菊物語」「雨月物語」「近松物語」の中でも、一番肌に合わない作品‼️江戸時代を舞台に転落していく女性の姿を通して、人生のドロドロした部分や、人間が生きてく上での凄まじい情念を描いております‼️戦後スランプだった溝口監督が、黒澤明監督の「羅生門」がベネチア映画祭でグランプリを獲った事に発奮して撮り上げたらしいのですが、有名なワンシーン・ワンカットをはじめ、溝口監督の恐ろしいまでの執念のようなモノが全編に満ちていて、その重厚感は凄まじい‼️ただ「祇園の姉妹」や「浪華悲歌」のような鋭い切れ味がなく、ホント観終わった後の疲労感は相当なもんです‼️初見から30年以上経つけど、いつ観ても同じ‼️そして主人公のお春を演じる田中絹代さん‼️当時42歳の彼女が13歳から50代を演じるわけですが、ウーン、この演技がまた疲労感に拍車をかける‼️私がもともと田中絹代さんの演技が苦手というのもあるのでしょうけど‼️江戸時代の素晴らしいセットや美術品の数々、わが憧れ三船さんが溝口作品に出演されている事など、見所は多いのですが、私にとって溝口監督の最高傑作は、やはり「祇園の姉妹」と「浪華悲歌」ですね‼️
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